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EXPOSURE NEWS !

「ETERNA-RDS」開発ストーリー ~映画の価値を永遠に守り続けるために~

 

アカデミー科学技術賞“Scientific and Engineering Award”を受賞!

富士フイルムは、デジタルセパレーション用黒白レコーディングフィルム「ETERNA-RDS」の開発により、米国の映画芸術科学アカデミーが選定する平成23年度科学技術賞 “Scientific and Engineering Award”を受賞し、その授賞式が米国 ロスアンゼルスにて、現地時間2月11日に行われました。
「ETERNA-RDS」は、映像情報を長期にわたって保存し、映画コンテンツを「文化遺産」として後世に残していくことを目的に、カラー画像の3色分解(セパレーション)を行ない、安定した黒白画像(銀像)として記録するためのアーカイブ専用フィルムで、平成22年4月より発売を開始しました。

今回の受賞は、「ETERNA-RDS」の開発が、これまでの映画事業の財産を後世に残すための重要な一歩になったと高く評価されたもので、すでに、多くの米国ハリウッド作品のアーカイブ保存用として使用されております。本賞は、富士フイルム株式会社、および「ETERNA-RDS」を設計・開発を担当した3名の技術者(大関 勝久、平野 浩司、白井 英行)に対して与えられました。
『EXPOSURE NEWS!』では、「ETERNA-RDS」開発ストーリーをお届けします。

黒白フィルムの高性能をデジタルアーカイブに生かす

2月11日、米国ハリウッドでアカデミー科学技術賞の授賞式に臨んだ富士フイルムの3人の技術者たちは、「『ETERNA-RDS』の受賞は、富士フイルムが映画の世界に大きな貢献を果たせたことを意味します。そのことが何よりもうれしい」と感慨を述べました。この言葉の背景には、技術の進歩と共に映画業界が抱えるようになった、ある事情が存在します。
撮影や編集など、さまざまな場面でデジタル化が進む近年の映画製作現場では、デジタルデータを作品の原盤(マスター)とするケースが急速に増えています。デジタルデータは通常、ハードディスクなどのデジタルメディアに保存されますが、規格が変わるたびにデータ移行が必要になるほか、メディア自体の品質劣化も早いため、マスターを半永久的に保存することが必要な映画業界にとっては最善のオプションではありません。そこで富士フイルムは、デジタル映像を長期保存するための専用黒白フィルムを開発しました。それが今回、アカデミー賞受賞の栄誉をもたらした「ETERNA-RDS」です。
デジタル映像を黒白フィルムに記録するためには、まず映像を赤・緑・青の映像信号データに分解し、それぞれのデータを3つのフィルムに露光・記録します。つまり1本のデジタル映像が3本の黒白フィルムに分かれて保存されることになるわけです。復元する場合は、それぞれのフィルムをスキャンしてデジタル合成するか、あるいは直接フィルムに光学露光でプリントすれば、オリジナルと寸分たがわぬ映像を簡単に再現することが可能です。「ETERNA-RDS」の特徴は、卓越したシャープネスと粒状性でデジタル映像の高精細な描写を余すところなく表現する優れた写真性能と、長期保存性を両立したこと。さらに、処理条件の変動に伴う階調変化が発生しないなど、現像処理での優れた安定性も実現。特に安定性に関しては、本来の黒白ネガ現像だけでなく、処方が異なるうえに現像時間が短い黒白ポジ現像も処理可能なほどの高レベルを達成しています。
その優れた性能が、デジタルマスターのアーカイブ化を進めるにあたって非常に有益であり、「映画産業における遺産保護に向けた重要な一歩」であると評価されたのが、アカデミー賞受賞だったのです。

ゼロから始まった開発

デジタル映像を3色分解し、黒白フィルムへ保存するという手法自体は、米国ハリウッドでは「ETERNA-RDS」の登場以前から広く普及しており、多くの作品で製作段階からフィルムでのアーカイブ化を前提とした予算が組まれているほどです。ただ、従来のアーカイブ用フィルムには、レーザーによるデジタル露光の際の露光条件が安定しない、現像後の仕上がりにバラつきが出るなどの弱点が多く、十分な仕上がりを得るにはノウハウや手間と時間を要していました。アーカイブ作業は公開日を控えて時間に追われる通常の作品プリントと異なり、作業期間に余裕があるために、かえって技術の改善が後回しになり、現場は長年にわたって非合理的でわずらわしい作業を強いられているという現状があったのです。
富士フイルムのスタッフは、技術サポートで米国の現像所を訪問した際などに、これに対する不満の声をたびたび耳にしてきました。人類の貴重な遺産である映画作品を、未来に伝えるためのアーカイブ化。これを効率化し、品質を向上することは、映画という産業・文化への貢献にもつながります。「現場の技師の方々が負担を感じずに、思う存分技術を発揮できる最高品質のアーカイブ専用フィルムを、何としても作りたい」――富士フイルムの技術者たちの挑戦が始まりました。
当時、富士フイルムにはデジタルアーカイブフィルムの原型となる製品はありませんでした。そこで、まずは映画機器トップメーカーの技術者たちと情報交換し、機器の仕様や性能も視野に入れた上で、ユーザーにとって使いやすいスペックの実現を目指して開発をスタートさせました。幸い、富士フイルムでは、2年前にアカデミー科学技術賞を受賞したデジタルインターメディエイト専用レコーディングフィルム「ETERNA-RDI」で、レーザー露光に最適化したフィルムを作る技術を確立していました。そこで今回は、優れた画質と長期保存性、そして処理安定性を兼ね備えたフィルムを開発することにターゲットが絞られました。メインの市場となるのは米国ハリウッド。開発は機器メーカーに加え、米国にある複数の現像所からの協力を得て進められました。試作品を持ち込んでテストしてもらい、技師の意見を聞いてはさらなる改良に取り組む――苦闘の日々は、発売発表の直前まで続きました。

ハリウッドに支持され、米国メジャー映画製作会社でも続々採用

こうして完成した「ETERNA-RDS」は、米国ではメジャー映画製作会社である20世紀フォックスに最初に採用され、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントをはじめとする他社にもその輪が広がり、この一年間で30以上の作品に使用されました。
技術革新がなかなか進まなかったアーカイブ分野では、ほとんどの映画製作会社は長年同じシステムを使用してきました。慣れ親しんだフィルムを別のものへと切り替えることは、作業のワークフローを一新することを意味するため、大きな勇気と決断が必要になります。そんな中、「ETERNA-RDS」採用の決め手となったのが、現像所の協力でした。「現場の技師を満足させたい」との開発者たちの思いに応え、その優れた品質を熱烈に支持してくれた結果、富士フイルムのスタッフと一緒になって映画製作会社に採用を働きかけてくれたのです。

現在、米国における「ETERNA-RDS」の販売量は急速な伸びを見せ、複数のメジャー映画製作会社でテストが進行中です。日本国内での普及はこれからですが、今回の受賞を励みに「ETERNA-RDS」の採用を働きかけて参ります。

[写真]「ETERNA-RDS」を設計・開発した3名の技術者。左から平野 浩司、大関 勝久、白井 英行

「ETERNA-RDS」を設計・開発した3名の技術者。左から平野 浩司、大関 勝久、白井 英行

3色分解ワークフロー図

[図]3色分解ワークフロー図

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