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What's this?

赤い光に隠された
美しい肌の謎を解く。

いつまでも透明感のある美しい肌を保つこと――
全ての女性が求め続ける永遠の願望です。
では、その肌の色を美しく見せているものは何か?
実は、肌の奥で反射している「赤い光」なのです。
今回のWhat’s thisでは富士フイルムの光学技術から生まれた
最新の断層画像解析システムが解き明かした美しい肌の謎に迫ります。

肌が美しく見える謎に
最先端の光学技術で挑む。

みずみずしく透明感のある肌と、くすんだ暗い肌は、何が違うのでしょうか? 多くの女性が求めてやまない謎の答えは、富士フイルムが長年追い続けてきたテーマでもあります。私たちは写真フィルム開発の歴史の中で、光による肌の見え方の違いについて研究を重ねてきました。それは、最先端の光学技術による美の追求にほかなりません。
人の目が見ているのは、モノに当たって反射する光です。光は色によって波長が異なるため、反射・吸収の度合によってモノの色が変わります。黄色く見えるモノは黄色の光を反射し、その他の光を吸収しているのです。
肌の見え方の違いも、肌が反射する光の色によるものです。つまり、光の透過・反射状態を分析すれば、「どうして、透明感ある肌と暗い肌という違いが生まれるのか?」が分かるということ。では、富士フイルムの断層画像解析システムが解き明かした、美しい肌の謎に迫りましょう。

■ 色の見えるしくみ

独自の断層画像解析システムで
肌と光の関係を解きほぐす。

人の肌における光の振る舞いを測定するためには、光干渉断層画像解析装置(OCT)を使うことが考えられます。しかし、眼底や血管の検査で利用されている従来型のOCTは、光源が目に見えない近赤外光に限定され、見た目に対応する可視光の情報を得ることは困難でした。そこで、富士フイルムは、装置の光源を可視光にして、光の色を自由に選んで測定できるようにしました。さらに独自の光学設計によって、一瞬で断層画像を映すシステムを開発したのです。その画期的な断層画像解析システムが「ワンショット可視分光SD-OCT」です。このシステムは、肌に何色の光がどれだけ吸収され、肌の奥で反射して私たちの目に映るのかを瞬時に教えてくれます。これにより、透明感を生み出す光のメカニズムを解き明かせば、くすんだ加齢肌を美しい肌に変える方法も分かるはずです。
富士フイルムの研究チームは、このシステムを使って、透明感のある「美しい肌」とくすんだ「加齢肌」を測定しました。その結果、「美しい肌」では光が肌の深部にまで透過し、反射光が多いのに対して、「加齢肌」は浅い部分でしか光が反射せず、光量も少ないことが分かりました。内部から反射してくる光量が多ければ透明感があるように見え、光量が少ないと透明感が低下し、にごったような色に見えてしまうのです。
では、この透明な美しさの鍵となっているものは何か? それを突き止めるため、研究チームは、光の色と肌の見え方の関係を調べました。

■ 「ワンショット可視分光SD-OCT」による測定結果

「ワンショット可視分光SD-OCT」を使用して、人間の目が最も明るいと感じる波長領域の緑色光を当て、肌の断層画像を撮影。画像の白い部分はその深さから反射している光が多く、黒い部分は少ないことを示す。「美しい肌」は肌の深部から光が多く反射しているが、「加齢肌」は浅い部分からしか戻ってこず、光の量も少ない。

「美しい肌」の透明感を
赤色光の操作で肌に再現する。

肌が反射している光を色ごとに解析すると、赤い色の光は肌の深部から多くの光を反射するため、内側から肌を照らしていることが分かりました。赤い色の光は、肌の深部まで届くことで、毛穴や色むら、シミをはじめとするお肌のトラブルを目立たせることなく、透明感を与えるという大きな力を発揮しているのです。さらに、「美しい肌」は肌をくすんで見せる黄色の光よりも赤い色の光を多く反射するのに対して、「加齢肌」は全体的に反射率が低いためくすんで見えていることも明らかになりました。
「ワンショット可視分光SD-OCT」の測定結果が、私たちに教えてくれたこと。それは、美しさを生み出す鍵が「赤色光」にあり、多くの光を肌の内部に透過させて、深部から反射させることが必要である、ということです。つまり、ベースメイク用化粧品などを用いて赤色光を巧みに操作すれば、美しい肌の光学特性を肌の上で再現できるのです。
富士フイルムは、断層画像解析システムを用いて肌に透明感を与える赤色光の謎を解き、いつまでも若々しい肌を保ちたいという女性たちの夢の実現に一歩近づきました。赤色光の謎を解明したことは、美の未来を革新する大発見といえるのです。

■ 「桜」「美しい肌」「加齢肌」の反射スペクトル測定結果

「桜」と「美しい肌」「加齢肌」の反射スペクトルを測定したところ。黄色光での反射率の減少を数値で示した。「桜」と「美しい肌」は黄色光の反射率の低下幅が大きく、吸収しているのに対し、「加齢肌」は黄色光の反射率の低下幅が小さく、反射している。

記事公開:2017年3月
情報は公開時点のものです