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写ルンです LIFE

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 前田エマ(モデル)自分目線のレンズの高さで、 目にしたものをそのまま伝えたい 前田エマ(モデル)

パリっぽい写真を
撮りたかったわけじゃない

今回写ルンですの写真を使って制作された動画は、昨年11月のパリフォト開催に合わせてパリを訪れられた時の写真で構成されているのですね。

はい。そのときのパリには世界中のギャラリーや出版社、写真家さんたちが集まっていました。またそれに合わせてZINEのフェアや小さなギャラリーや出版社による、言うなれば「ミニ・パリフォト」のようなイベントもたくさん開催されていて…本当に「写真」を通していろんな人が世界中から集まってきて、ワクワクしている空気がすごく面白かったです。

動画 … 前田エマ パリ「Un Vin Chaud, s'il vous plaît.」

写真にはパリの「日常」が写っているようです。

いわゆる「パリっぽい」写真を撮りたいわけじゃなくて。例えば工事現場とか冷蔵庫の中とかゴミとか…撮ったものは、普段日本にいるときとあんまり変わらない。
現地では、「1日に写ルンです3本は撮り切ろう」という目標を立てて撮っていました。ほとんどずっと曇り空で雨も降ったりしたので、ちゃんと撮れるか心配だったのですが、晴れた瞬間にここぞとばかりに撮ったり。フラッシュの写真ってどうしても似た印象になっちゃう気がして、頑張ってあんまり使わないようにしました。でもフラッシュが好きなのでやっぱり多いなあ…。雨の水滴を使ったりとか雨を生かした写真も多いですね。

とても素敵です。

時系列で写真を追ってみると、やっぱり最初はちょっと引いた目線で街を撮ろうとしているんですよね。それが日が経つにつれて、コップやリンゴ、そして部屋のベッドのシーツ、と目線が近い対象物へと移っていった。そこには、心の慣れというのがあるんだなと気付きました。街に対して心がリラックスしていく感覚ですね。
なかでも、ハンガーを撮った写真が印象に残っていて。ハンガーなんて万国共通なのに、私にとってはあのハンガーはパリなんですよね。あの写真は、なんかうれしい一枚でした。「私、パリでもハンガー撮れるんだ」って。あれは衝撃的でした。

撮った写真は絶対プリントにする

私、撮った写真はデータだけじゃなくて、絶対にプリントもするようにしていて。プリントだと並べたり、重ねたりしながらじっくりと見るんですよ。それはインターネットの画面上で見るのとは全く違います。
今回の写真も全部プリントしました。上がった写真はまず全部並べてみて「今回撮ってきたのは“こういう感じ”なんだ」っていう感覚を自分の中に入れて。それから、写真の良し悪しは置いておいて使える写真とそうでない写真を分けて、それを動画編集の際にあらためて並べて、あとは自分の感覚で流れを組んでいきました。

その「感覚」についてもう少し教えていただけますか?

私は、すごく色が気になってしまう人間なんです。なので今回も自分が見ていて気持ちがいい色かどうかが重要になりました。例えば 「色の重なり方」。単純に考えて、夜の写真の上に昼の写真を置くと、昼の写真のほうが明るいから、真っ先に目に入ってくる。他にも、下に置く写真に赤い部分があったら、上に置く写真にも、どこか「赤い部分」があるものを使おうとか…遊びみたいな感覚で「これとこれはつながるかもしれない」って。
だからロードムービーみたいに物語を作っていったという感じじゃなくて、感覚的に「気持ちいいかどうか」を重視していました。私は絵を描く時もそうなんです。

その流れにharuka nakamuraさんと森俊二さんの音楽が組み合わさるのですね。

音楽は、まずharukaさんが、様々なテイストの過去に作られた 音楽を10 曲くらいデータで渡してくださって「イメージに近いものとかある?」って。
私は今回、 パリで動画やボイスメモで音を録ってきていたんです。だからフィールドレコーディングの音は絶対入れたいと思っていて。そのことをお話ししたらフィールドレコーディングが入った音楽も、いくつか聴かせてくださって。harukaさんとのやり取りも、かなり感覚で進んでいきました。とても信頼しているので、フィーリングで分かってくださって。「テンションとしてはもう少し切ない感じで〜」「切ないけどポップな感じを漂わせて〜」みたいなことを言うと「わかった、じゃあちょっと作ってみるよ」って。私の囁きのような歌声も入りました。そこに森俊二さんのギターが加わって。お二人とも大好きなミュージシャンで、ライブも見に行っているので、ファンとしては興奮!感激!

写真には「自分」は写っていない

写ルンですを外国で使ってみていかがでしたか?

今回強く思ったのは、写ルンですは盗まれない! 海外へ行くと、よくカメラを盗まれる話を聞きますが、写ルンですは高価なものじゃないし…大丈夫。すごくいいな〜と感じました(笑)。
あと、フランス人の友達に写ルンですをプレゼントしたらすごく喜ばれました。彼女は以前、来日した時に日本での写真を全部写ルンですで撮っていて。写ルンですで写真を残すという行為までもが、日本の思い出になっていました。

写ルンですの魅力はどんなところだと思いますか?

写ルンですに限らず、フィルムカメラに言えることなのですが「モノ」として残るというところに魅力を感じます。フィルムカメラで撮って、現像して、データなりプリントなりにする喜びは、デジタルとまったく違うものがある。現像するまでどんな写真が上がるかわからないし、ある意味「捨て写真」がない。撮った瞬間にはボケボケで、デジタルだったらその場ですぐに消しちゃうような写真でも、残しておくとその何年後かに、すごく「いい写真」として帰って来ることがあります。そこがすごく面白い。

今回、写ルンですだからできたと思われることはありますか?

何も考えずに撮れた、ということですね。他のカメラだと、今この天気だから露出をこうしなくちゃ、とか対象物との距離とかレンズのこととかいろいろ考える。それが、写ルンですはある意味、何もできなくて、フラッシュしか機能がないから感覚でどんどん撮れるんですね。すごくフェアなカメラ。だれが撮っても、平等なんですね。

だから、より写真に「エマさんが写っている」ということでしょうか。

私は、写真には自分、自分の感情は絶対写らないと思っていて。例えば悲しい気分で明るい空を撮っても、たぶん『悲しい気分です』ってテロップが入らない限り伝わらないじゃないですか。だから、写真には自分の気持ちは絶対に写らないと思っていて。でも、好きな色や構図、興味があるものっていう感覚は写ると思う。そこがけっこう勘違いされやすくて。「このとき、どういう気持ちで撮ったんですか?」って聞かれても「いや、気持ちは関係ないでしょう」って。撮った側のことなんて、見る人ははるかに超えていく。

なるほど、面白い視点ですね。

私今回もパリの空の写真がたくさんありますけど、例えば私がスリに遭った直後に撮った写真だったとしても、見る人にとってはただのパリの空でしかないから。

となると、見る人に「こう受け取ってほしい」というメッセージはない、ということでしょうか。

ないですね。これを見て、「エマちゃんが普段東京で撮る写真となにも変わらないじゃん、行く意味ないじゃん」と思う人もいるかしれないし、「パリに行ってみたいです」って思う人もいるかしれない。そこには、なんのメッセージ性もないのかな。事実としては、 私がパリへ行ったときはパリフォトがやってて、テロから1年が経って、トランプが大統領になって…嬉しさと悲しさと、これからへの不安みたいなもがその街で呻き合っていたけど、たぶんそのことを言わなければ、ただ淡々と、パリの街並が写っている。でも、いつかこの写真たちを見返したときに、この瞬間のパリの空気や様子は残って伝わる可能性はあるのかな。私はパリに行って良くも悪くも、こういう写真を撮ることができました、さあ、どうですか? って。 個人的には、夜眠る前とかに洗濯物をたたみながら、ぼんやり見たりしてほしいです(笑)。

前田エマ パリ「Un Vin Chaud, s'il vous plaît.」

前田エマ(モデル)

前田エマ

1992年、神奈川県生まれ。東京造形大学卒業。オーストリア・ウィーン芸術アカデミーに留学経験を持ち、在学中から、モデル、エッセイ、写真、ペインティング、朗読、ナレーションなど、感性を大切にした幅広い活動で注目を集めている。

インタビュー:2017/1/20
文:高木沙織
写真:広川智基(写ルンです シンプルエース・1600 Hi・Speedで撮影)
Hair & Make:草場妙子

       
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