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焦点距離・露出数値をコントロールしましょう!

 

このガイドでは、「焦点距離での背景コントロール」、「被写界深度(ピントの合う範囲)」、「シャッタースピードの効果」、「ISO感度の効果」の4つについて、それぞれご案内いたします。写真の基礎的な内容ですが、意外と忘れている場合もあるかもしれませんね。

[写真]

焦点距離で背景の大きさをコントロールする

焦点距離で被写体の背景の大きさが変化します

下記の写真は、被写体が同じ大きさになるよう、カメラと被写体の距離を変化させて撮影した画像の比較です。被写体の大きさはほぼ同じですが、背景が異なることがおわかりになると思います。広角レンズは背景が広く写り、望遠レンズは背景も大きく写っています。

雄大な風景をバックに人物を撮影する場合は、広角レンズを使用して近づくと、人物も大きく、また、背景の自然も広く写すことが可能です。逆に人物を浮き上がらせるように撮影するには、望遠レンズを使用して、やや離れて撮影すると、背景が単純化されますのでおすすめです。

テレビのマラソン中継などで、先頭の選手と後続の選手の間に結構距離があるのに、正面からの映像ではほとんど差がないように見えることがありませんか?これを望遠レンズの「圧縮効果」といいます。下のサンプル写真でも、望遠レンズになるほど、背景がだんだんと近寄ってきているように見えると思います。

  • [写真]14mm(35mmフィルム換算 : 21mm相当)
    14mm(35mmフィルム換算 : 21mm相当)
  • [写真]18mm(35mmフィルム換算 : 27mm相当)
    18mm(35mmフィルム換算 : 27mm相当)
  • [写真]35mm(35mmフィルム換算 : 53mm相当)
    35mm(35mmフィルム換算 : 53mm相当)
  • [写真]50mm(35mmフィルム換算 : 75mm相当)
    50mm(35mmフィルム換算 : 75mm相当)
  • [写真]100mm(35mmフィルム換算 : 150mm相当)
    100mm(35mmフィルム換算 : 150mm相当)
  • [写真]200mm(35mmフィルム換算 : 305mm相当)
    200mm(35mmフィルム換算 : 305mm相当)

【焦点距離と被写体までの距離の関係】

  • [画像]焦点距離と被写体までの距離の関係
  • [画像]焦点距離と被写体までの距離の関係

※ご注意ください※
広角レンズで近づいて撮影すると、被写体の形が歪んでしまう(被写体の手前と奥で大きく大きさが変化する)ことがあります。これは、画像中心部と周辺部で撮影距離の差が大きくなるためです。特に被写体の上や下から撮影すると大きくなる傾向があります。Xマウントレンズに限らず、レンズ全般に言える特性ですのでご注意ください。

  • [写真]広角レンズ 14mm
    広角レンズ 14mm
  • [写真]望遠レンズ 50mm
    望遠レンズ 50mm

被写体の形を歪ませたくない場合は、少し離れた位置から標準または望遠レンズをご利用ください。

露出数値について

「露出」と言うと難しく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、デジタルカメラの撮影センサーに届く光の量のことで、絞り・シャッタースピード・ISO感度3つの組み合わせで画像の明るさが決まります。まずは、この3つの中から、絞りとシャッタースピードの関係を見てみましょう。

絞りとは?

「レンズを通りすぎる光の量を調節」するものです。下の図のようにレンズ内にある丸い穴の大きさを変化させて、調節しています。絞りは、水道の蛇口に例えられることが良くあります。蛇口を大きく開けば、出てくる水の量が多くなり、逆に閉じると少なくなりますね。

  • [画像]絞りとは?
  • [画像]絞りとは?

シャッタースピードとは?

「画像センサーに光を当てる時間」です。シャッター幕と呼ばれるもので光を通したり、遮断したりすることで時間を調節します。
シャッタースピードは、蛇口を開いている時間に例えられます。同じ水の出し方でも、2倍の時間開いていれば2倍の水の量が出てきます。逆に半分の時間開けば、出てくる水の量も半分になりますね。

  • [画像]シャッタースピードとは?
  • [画像]シャッタースピードとは?

絞りとシャッタースピードの関係を水道の蛇口と器で表現すると、蛇口を大きく開けば短時間でいっぱいになり、また、蛇口をあまり開かなくても時間をかければいっぱいにすることが可能です。どちらの方法でも同じ大きさの器をいっぱいにすることができます。
これと同様に、露出量を同じにするためには、絞りを絞った場合はシャッタースピードを遅くする必要がありますし、逆にシャッタースピードを速くしたら絞りを開く必要があります。

● 蛇口を開く(閉じる) = 絞りを開く(閉じる)
● 蛇口を開く時間を長くする(短くする) = シャッタースピードを遅くする(速くする)

【露出のイメージ】
絞りを絞ったイメージ : 少しだけ蛇口をひねってコップに水を注ぐと、いっぱいになるまで時間がかかります(=遅いシャッタースピードが必要)。

  • [画像]露出のイメージ

絞りを開いたイメージ : 蛇口を大きく開いて2倍の勢いで水を出せば、いっぱいになる時間は半分ですみます(=速いシャッタースピードを使えます)。

  • [画像]露出のイメージ

【EV値(エクスポージャーバリュー値)】
EV値(エクスポージャーバリュー値)と言う言葉を聞いたことはありませんか?下の表は、EV値(エクスポージャーバリュー値)と絞り・シャッタースピードの関係図です。縦軸が絞り、横軸がシャッタースピード、斜め線が同じ撮影環境の明るさ(同じEV値)を表しています。縦軸と横軸が交差する場所が同じ斜め線の上であれば、露出が同じになります。

[画像]EV値(エクスポージャーバリュー値

例えば、日中晴天屋外の明るさは、ISO100の場合「14EV」が目安です。この数値を使って説明すると、緑矢印(F16・1/60秒)と 赤矢印(F8.0・1/250秒)、青矢印(F4.0・1/1000秒)は、すべて同じ線上で交差していますね。同一の被写体では、これらのどの組み合わせでも同じ明るさの写真が撮影できます。

ISO感度について

ISO感度は、水をためる器の大きさに例えられます。ISO感度をISO100からISO200に高くすることは、例えば、1リットルでいっぱいになる器を0.5リットルでいっぱいになる器に替えることと同義です。適切な明るさの画像に必要な光の量が半分で済みます。

夜景や暗い室内で撮影する場合に、絞りを開いても高速なシャッタースピードにならない場合などはISO感度を高めに、雪山やビーチなど非常に明るい場所で、シャッタースピードを高速にしても絞りを開くことができない場合などは、ISO感度を低めに設定すると良いでしょう。

適正露出の状態から絞り・シャッタースピード・ISO感度を調整した場合は、ほかの数値も調整しなくてはなりません。
光の量が多くなりすぎる(明るい写真)や、逆に足らない状態(暗い写真)になってしまいます。

適正露出の状態から絞り・シャッタースピード・ISO感度を調整した場合は、ほかの数値も調整しなくてはなりません。
光の量が多くなりすぎる(明るい写真)や、逆に足らない状態(暗い写真)になってしまいます。

数値変更イメージ画像
例えば、1/250秒・F8で適正な明るさ写真を、流し撮りで背景を大きく流すためにシャッタースピードを1/60秒まで下げた(4倍の時間にした)場合、露出を同じにするには絞りはF16(1/4の通過量)にする必要があります。

[写真]数値変更イメージ画像

  • 1/250秒 F8.0
  • シャッタースピードのみ変更 1/60秒 F8.0
    背景は流れますが非常に明るくなってしま
    いました。

[画像]数値変更イメージ画像

シャッタースピード・絞り両方変更 1/60秒 F16
背景が大きく流れ、明るさが正常になりました

[写真]数値変更イメージ画像

絞り・シャッタースピードを選択可能なオート露出

絞り・シャッタースピード・ISO感度を手動で変更するのは、結構難しくてかなり手間ですね。計算したり、いちいち考えて設定したりすると時間もかかります。
そこで活躍するのが、絞りを選ぶと、シャッタースピードをカメラが自動選択する露出モード「絞り優先オート(A)」。反対にシャッタースピードを選ぶと、絞りをカメラが自動的に選択してくれる露出モード「シャッタースピード優先オート(S)」です。

被写界深度(ピントの合う範囲)をコントロールしたい場合には「絞り優先オート(A)」、被写体の動きをコントロールしたい場合には「シャッタースピード優先オート(S)」のご利用をおすすめします。

※絞り優先オート(A)、シャッタースピード優先オート(S)は、Xシリーズデジタルカメラに搭載しています。なお、詳しい搭載の有無は、当社Webサイトや製品カタログをご参照ください。

被写界深度(ピントの合う範囲)のコントロール

絞りで被写界深度をコントロール

絞りは光の量をコントロールするだけではなく、開く(数値を小さくする)と被写界深度が浅く(狭く)なり、閉じる(数値を大きくする)と被写界深度が深く(広く)なる特性があります。この特性を活かして、奥行きのある風景全体に手前から奥までピントを合わせたり、被写体の背景をぼかして際立たせたりすることが可能です。(例)XF35mmF1.4 R

雑誌などで、花の背景や人物撮影(ポートレート)の背景をぼかした写真をみたことはありませんか? これは、絞りを開いて被写界深度を浅くするテクニックを使用しています。

  • [写真]F1.4
    F1.4
  • [写真]F2.8
    F2.8
  • [写真]F5.6
    F5.6
  • [写真]F11
    F11

【作例写真】

  • [写真]奥までピントの合った写真絞り F16/XF35mmF1.4 R 使用
    奥までピントの合った写真絞り
    F16/XF35mmF1.4 R 使用
  • [写真]背景をぼかした写真絞り F1.4/XF35mmF1.4 R 使用
    背景をぼかした写真絞り
    F1.4/XF35mmF1.4 R 使用

撮影距離で被写界深度をコントロール

被写界深度にはもう一つ、撮影距離でも変化する特性があります。同じレンズ・絞りを使っても、近くにピントを合わせると浅くなり、遠くにピントを合わせると深くなります。

[写真]近づいた撮影(左)と距離を開けた撮影(右) 焦点距離 55mm/絞り F4.0/XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS 使用

近づいた撮影(左)と距離を開けた撮影(右) 焦点距離 55mm/絞り
F4.0/XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS 使用

[写真]絞り F2.4/XF60mmF2.4 R Macro 使用

絞り F2.4/XF60mmF2.4 R Macro 使用

さらに、近接撮影用レンズ(マクロレンズ)を使用すると、通常のレンズよりも被写体に近寄って撮影することが可能です。この場合、非常に被写界深度が浅くなり、被写体の一部分だけにピントが合った状態になります。

  • [写真]絞り F2.4/XF60mmF2.4 R Macro 使用
    絞り F2.4/XF60mmF2.4 R Macro 使用
  • さらに、近接撮影用レンズ(マクロレンズ)を使用すると、通常のレンズよりも被写体に近寄って撮影することが可能です。この場合、非常に被写界深度が浅くなり、被写体の一部分だけにピントが合った状態になります。

焦点距離で被写界深度をコントロール

被写界深度は、使用するレンズの焦点距離でも変化する特性があります。同じ絞り値を使っても、望遠レンズでは浅く、広角レンズでは深くなります。

左側は焦点距離 55mm / 絞り F4.0で撮影した写真。右側は焦点距離 18mm / 絞り F4.0 で撮影したものを同じ大きさにトリミングした写真。

※撮影は同距離・XF18-55mmF2.8-4 R LM OISにて行っています。

  • [写真]焦点距離55mmでは、奥のレンズがボケています
    焦点距離55mmでは、奥のレンズがボケています
  • [写真]焦点距離18mmでは、奥のレンズまでピントが合っています
    焦点距離18mmでは、奥のレンズまでピントが合っています

シャッタースピードで被写体の動きをコントロールする

シャッタースピードには、動く被写体の背景をぶらして躍動感を再現する効果や、動く被写体の一瞬を切り取る効果があります。また、速いシャッタースピードを使用して、手ブレや被写体ブレを抑える効果なども期待できます。

① 背景をコントロールする

低速のシャッタースピードを使い、流し撮り撮影をすると背景が流れ、走行している雰囲気が出ます。逆に高速シャッタースピードを使用すると、背景が止まり、停車中のように見えてきます。流し撮りで動く被写体を撮影する場合は、やや遅めのシャッタースピードがおすすめです。
ご参考までに、自家用車や在来線電車などの場合は「1/60秒」程度が目安です。なお、レースカーや飛行機/新幹線などスピードの速い被写体は、もう少し速いシャッタースピードをご利用ください。

  • [写真]1/60秒
    1/60秒
  • [写真]1/500秒
    1/500秒

② 水などの動きをコントロールする

シャッタースピードを高速にすると水の流れが止まりダイナミックに、低速にすると絹のように滑らかに写ります。 なお、明るい撮影シーンの場合は、シャッタースピードを低速に出来ない場合があります。このような際は、減光用フィルターNDフィルターの使用がおすすめです。なお、流れる水の場合は、流れの速さにもよりますが、1秒~4秒程度が目安です。

  • [写真]1/80秒
    1/80秒
  • [写真]3秒
    3秒

③ 被写体の動きをピタリと止める

高速で動く被写体の場合、シャッタースピードが遅いと動いている部分がぶれてしまい、消えたようになってしまうことがあります。この場合、シャッタースピードを高速にすると、動いている被写体をピタリと止めて撮影することが可能です。
例えば、下の作例のようなゴールの瞬間など一瞬を切り取る場合には、ピタリと止めたほうが良い場合もあります。
なお、動く被写体を止めるには、被写体の動くスピードにもよりますが、1/500秒より高速側が目安です。

  • [写真]1/30秒
    1/30秒
  • [写真]1/1000秒
    1/1000秒

ISO感度の効果

① 手ブレ・被写体ブレを抑える

ISO感度を高くすると、暗い撮影シーンでもシャッタースピードを高速化することが可能です。
シャッタースピードを高速化すると、手ブレの抑制に加えて被写体の動きによるブレ(被写体ブレ)も抑えることが可能となります。ただし、ISO感度を高くすると、粒状のノイズが発生しやすくなりますので、ご注意ください。
なお、一般的に手ブレが発生する目安は、「1/焦点距離(35mmフィルム換算)秒」と言われています。例えば、焦点距離 50mm(35mmフィルム換算)の場合、1/50秒以下のシャッタースピードでは手ブレが発生しやすくなります。手ブレが発生すると写真が台無しになってしまうため、少々ノイズが発生しても感度を上げて撮影するほうがベターです。

【手ブレのイメージ】
下の写真はISO感度を上げて、シャッタースピードを高速化しました。シャッターが開いている間にカメラが動いてしまう手ブレを抑制しています。

  • [写真]手ブレのイメージ
    ISO100 1/8秒ISO800 1/60秒
  • [写真]手ブレのイメージ

【被写体ブレのイメージ】
下の写真もISO感度を上げて、シャッタースピードを高速化して撮影しています。どちらも背景に手ブレはありませんが、遅いシャッタースピードの場合、シャッターが開いている間に被写体が動いてしまいます。動いている被写体を撮影する場合は、カメラを固定しても、シャッタースピードを高速にしないとブレが発生してしまいますので、ご注意ください。

  • [写真]被写体ブレのイメージ
    ISO100 1/30秒ISO800 1/250秒
  • [写真]被写体ブレのイメージ

② フラッシュを使わずにその場の雰囲気を演出する

暗い場所で手ブレを避けるためにフラッシュ撮影したら、「被写体の背景が暗くなってしまった!」、という経験のある方は多いのではないでしょうか?
このような場合は、ISO感度を高くしてシャッタースピードを速くしましょう。フラッシュ無しで撮影すると、背景まで明るく撮影することができます。しかもフラッシュの場合、カメラ側からの光となりますが、「フラッシュOFF+高感度撮影」の場合は、その場の光を活かして、雰囲気を再現するにはもってこいです。
なお、非常に暗い撮影シーンの場合は、三脚などでカメラを固定していただくと失敗が少なくなるためおすすめです。

  • [写真]フラッシュON
    フラッシュON
  • [写真]フラッシュOFF + 高感度撮影
    フラッシュOFF + 高感度撮影

もう一つのテクニック : フラッシュ発光モード「スローシンクロ」
ISO感度とは違いますが、被写体と背景を明るく撮るもう一つのテクニックが、「スローシンクロ」です。スローシンクロとは、シャッタースピードを遅くしてフラッシュを発光させるモードです。例えば、ライトアップされた夜景をバックにして、手前にいる被写体と一緒に写す場合、カメラがライトアップの光の明るさを測定し、ちょうど逆光時のように、被写体が真っ暗になってしまうことがあります。
そこで通常のフラッシュ撮影をすると、被写体は明るくなりますが、こんどは背景が暗く写ってしまいます。スローシンクロを使用すると被写体と背景を同時に明るく写すことができます。

※スローシンクロをご利用の際は、シャッタースピードが遅くなるため、三脚などでカメラを固定することをおすすめします。

  • [写真]スローシンクロ
  • [写真]スローシンクロ
    スローシンクロ

あると便利なアクセサリー

NDフィルター(減光用フィルター)

NDフィルターは、レンズに入る光を少なくするアクセサリーです。明るい場所でシャッタースピードを遅くすることが出来ない場合や、絞りを開くことができない場合に便利なアクセサリーです。ご利用のレンズのフィルター径に合わせてご用意ください。
なお、はじめの一枚には、3段分減光効果のあるNDフィルターがおすすめです。

[写真]NDフィルター(ND-8 : 3段分)

NDフィルター(ND-8 : 3段分)


  • [写真]NDフィルター(ND-8 : 3段分)
    NDフィルター(ND-8 : 3段分)

最後までご覧いただきありがとうございました。ぜひ本ガイドをご活用いただき、いろいろな効果をお試しください。

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