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日本
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導入事例システムインテグレーターX社/システム営業部

メーカーの“信頼”を支える品質管理データ。
改ざんなどのリスクを防ぎながら40年以上の長期安全保管を実現するには?

X社は、システムインテグレーション(SI)企業として、企業や公的機関を顧客に、さまざまなITシステムの構築や運用支援を行っています。

課題

膨大な品質管理データを、原本性を保持しながら40年以上保管する必要がある

さまざまな業種の企業、さらには地方自治体などの公的機関に対して、各種ITシステムの提供を行っているSI企業のX社。しかし、ある製造業の品質管理部門から寄せられたニーズには、思わず頭を抱えてしまったと、顧客への提案活動を行うシステム営業部のY氏は振り返ります。
「そのお客さまのニーズは、『品質管理に関する膨大なデータを、最低40年にわたり安全に保管したい』というもの。当社でもデータストレージに関わるシステム構築の実績はありましたが、基本的に使用頻度が高いホットデータを対象にしたシステム。今回のように使用頻度が低いコールドデータの長期保管に関しては、高度なノウハウを持っていませんでした」

さらに、お客さまからはデータの長期保管体制を整備するにあたり、もう1つの条件が示されました。
「保管対象の品質管理データは、万が一、製品に不具合などが発生した際に、生産活動に不備がないことを客観的に証明するために用いられます。そのためお客さまとしては、データの改ざんなどが行われないように、原本性の保持についても高いレベルをお求めでした」(Y氏)

課題のポイント
  1. 膨大かつ貴重な品質管理データの長期安全保管を実現するストレージ基盤の構築
  2. データ保管にあたっては、内容の改ざんなどが生じないように、原本性の保持が必須

解決のポイント

  1. 安全性の高い磁気テープを活用したストレージシステムを提案
  2. データの選別や転送など、お客さまの運用に関わる工数を最小化
  3. 信頼性が高く、データの長期保管にも適したタイムスタンプサービス

データの長期安全保管を効率的に行えるテープストレージを導入

「当初は、お客さまへの提案に向けて、サーバー内蔵のハードディスクドライブ(HDD)を主体とした保管方法を検討していた」と語るY氏。しかし、40年以上の長期保管を実現するためには、複数回のサーバー更新・増設が必要であり、また突然の故障などによりデータ喪失のリスクもぬぐえず、最良の提案内容であるか確証を持てないでいました。

そんなときたまたま目にしたのが、デジタルデータの増大に伴い、磁気テープによるデータ保管の需要が高まっていることを伝える報道番組。そこで、取引先などを通じて調べを進めてみると、富士フイルムが提供するテープストレージ【ディターニティ オンサイト アーカイブ】の評価が高いことが分かったため、早速同社にコンタクトを取ることにしました。

【ディターニティ オンサイト アーカイブ】は、HDDと磁気テープライブラリを兼ね備え、使用頻度の低いコールドデータをHDDから磁気テープに転送・保管することができるシステムです。
「富士フイルムから説明を受けて分かったことは、磁気テープはハードエラーの発生率がHDDの1,000分の1~10,000分の1であり、オフライン保管のため停電やウイルス攻撃などによるデータ損失のリスクも極めて低いということ。HDDから磁気テープにデータを一度転送してしまえば、数十年にわたり安全保管が可能で、お客さまのニーズと親和性が高いのではないか、と。また、【ディターニティ オンサイト アーカイブ】は、拡張筐体を追加するだけで最大1.5PBまで記録容量を簡単に拡張できる点も心強く感じました」(Y氏)

導入にあたっては、運用工数がどれくらい発生するかも気になるところ。しかし、この点に関しても、【ディターニティ オンサイト アーカイブ】は、優れた特長を有していたとY氏は語ります。
「データの選別や転送作業による工数増加を懸念していたのですが、ホット/コールドの選別基準を一度決めてしまえば、あとは全てを自動処理にゆだねることができる。この運用負荷の少なさも、提案上の大きなアピールポイントになると思いました」

さらに一度磁気テープに保管したデータを、ホットデータとしてHDDに再転送する作業をPC上のクリック操作1つで行えることも魅力でした。
「品質問題など不測の事態が起きた際も、関連データを簡単操作で読み出せる。しかも、ファイル単位だけでなくフォルダ単位でまとめて読み出すこともできるため、長期にわたるデータの抽出時も迅速に対応できると判断しました」(Y氏)

信頼性と利便性を備えたタイムスタンプで改ざんなどのリスクを防止

一方、データの改ざんなどを防ぐ原本性の保持に関しては、さまざまなソリューションを検討した結果、セイコーソリューションズが提供する【セイコータイムスタンプサービス】を軸に提案することを決めました。

【セイコータイムスタンプサービス】は、高速・高精度なタイムスタンプサーバを活用した時刻認証(タイムスタンプ)により、あらゆる電子データの真正性を保証するサービス。国際標準に準拠した信頼性の高いタイムスタンプをデジタル証明書として発行することで、データの生成時期や内容に改ざんなどが生じていないことを客観的に示すことが可能です。

Y氏にとっては、タイムスタンプとしての信頼性はもちろん、データの長期保管を求めるお客さまにマッチする利便性を兼ね備えている点も魅力でした。
「タイムスタンプの有効期間は10年なのですが、【セイコータイムスタンプサービス】はISOの長期署名に対応した仕様で、期限切れ前に再発行すれば、有効期間をさらに10年間延長できる。これであれば、40年以上の長期保管を想定した原本性の保持も効率的に実現できると考えました」

お客さまのセキュリティやコストに対する考え方に応じて、複数の提供方式を提案できる点も、商談の幅を広げる上で大きかったとY氏は説明します。
「タイムスタンプの発行数を気にすることなく、安心して利用できる月単位定額制の『VPN接続タイプ』と、従量課金制で予算を抑えたスモールスタートが可能な『SSL接続タイプ』が用意されているため、導入形態に関してニーズが絞り込めていない、初期の商談時も安心して臨むことができました」

■ ソリューションフロー
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お客さまからの難題に対して、2つのソリューションを組み合わせることで解決に導いたY氏。その成果に手応えを感じつつ、次なる商談に向けて期待を膨らませています。
「品質管理データの長期安全保管や原本性の保持といったテーマは、あらゆる製造業に共通する課題であることは間違いありません。今回の提案内容を、より多くのお客さまに応用していくことで、ホット/コールドの両データに強いSI企業として認知度を高めていきたいと思っています」

本内容は、基本的に実例に基づいていますが、顧客情報の保護などの観点から一部内容の改変を行い構成しています。