コラム

ものづくりの現場から

[第2回]最先端の磁気テープ工場のメンバーが明かす「高品質・高生産性」の秘けつ

世界のデータ保存を支える磁気テープの生産に、事業化以来、一貫して取り組んでいる富士フイルム 神奈川工場 小田原サイト。その最前線で品質・生産性のレベルアップへ日々奔走するメンバーが、ユニークな取り組みの数々を紹介します。

富士フイルム 記録メディア事業部 品質保証技術・工程技術開発メンバー (左から)中三川 順一、香原 賢俊、西田 謙二、上山 友秀

富士フイルム 記録メディア事業部 品質保証技術・工程技術開発メンバー
(左から)中三川 順一、香原 賢俊、西田 謙二、上山 友秀

ものづくりの現場から [第1回]Web初公開!世界のデータ保存を支える、最先端の「磁気テープ」生産技術

アクション1:自工程保証──良品だけを確実に次の工程へ届ける

複数の工程を経て、完成に至る磁気テープの生産工程。全てが完成したのちに不具合が見つかった場合は、それまでの生産活動が全てムダになってしまうだけでなく、お客様にタイムリーに磁気テープをお届けできなくなってしまいます。

そこで富士フイルム 小田原サイトが力を入れて取り組んでいるのが、良品だけを次工程に確実に引き渡すことで、工場全体として品質や生産性を高める「自工程保証」という取り組みです。

例えば、磁性塗料をベースフィルムに塗り付ける塗布工程では、塗布の仕上がりを漏れなく確認するために、複数の自動検査機にて全長検査を行い、合わせて熟練作業員によるチェックも行っています。また、製品ごとに定められた工程管理幅にテープを裁断するスリット工程でも、独自の設備を使って全長数キロにも及ぶテープの全てを測定し、裁断精度を保証するといった取り組みを行っています。こうした積み重ねにより、故障懸念などのトラブルは、各段に減少しています。

磁気テープは、記録容量の拡大に向けて数年先まで明確なロードマップが描かれており、2017年9月現在、世代7が6TB/巻、最新のLTOでは世代10で48TB/巻を予定しています。目標達成に向けて日々技術レベルを高める難しさはありますが、自工程保証にこだわって取り組みます。

アクション2:生産工程を「見える化・見せる化・知らせる化」──ビッグデータをリアルタイムで管理・共有

品質を高く保ちつつ、同時に生産性を高め、お客様に磁気テープをスピーディにお届けするためには、生産工程内のあらゆる情報をリアルタイムで自動収集し、必要に応じて先手の対応につなげることが欠かせません。

富士フイルム 小田原サイトでは、富士フイルム独自の生産情報管理システムを導入。生産に関する指示情報や履歴情報の一元的な管理・共有を強化することで、品質・生産性のレベルアップにつなげています。

塗布や裁断などを行った磁気テープを巻き取り、箱形のカートリッジに複数部品と共に組み込む工程でも、生産情報管理システムをフル活用。磁気テープの巻き取り指示などを自動発信するほか、その履歴についてもデータベースへ逐次記録。生産数量・得率・設備稼働率などを瞬時に共有し、全工程の生産情報をひも付けることでトレーサビリティシステムを確立しています。

世の中のデジタルデータが爆発的に増えるにつれて、今後ますます高記録容量の磁気テープが求められると確信しています。豊かな社会の実現に役立つ製品に携われることは大きな誇りであり、今後もさらなる安定生産のため、ICT・IoT・AIを積極的に展開して安定品質・高生産性に全力を尽くします!

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