旧式のOS、ブラウザでご利用になっています。
最新のOS、ブラウザにアップデートしてください。

「分け方」を変えればその問題は解決する!

vol.3

セミナー参加者が思わず前に座る
座席の「分け方」とは?

なぜ人は後ろの席に座りたがるのか?

セミナーや講演会は、企業にとって重要なプロモーション活動のひとつです。この記事をお読みの方々の中にも、セミナーの運営にかかわった経験のある方がいらっしゃるのではないでしょうか。

セミナーを開催するうえでの大きな悩みどころは、「いかに人を集めるか?」ということでしょう。その点、いまはSNSという頼もしい道具があります。より広く告知を打てるだけでなく、参加希望人数をリアルタイムに把握できるため、状況に応じて「まだ席に余裕があります!」とか「残りわずか! お急ぎください」などと集客を促すこともできます。

それでも無料のセミナーや講演会は、当日にならないと席が埋まるかどうかわかりません。お金を払う有料セミナーなら申し込みをした人は是が非でも参加しようということになりますが、無料だと、お客さまの都合でいとも簡単にキャンセルされてしまうからです。

100人の参加希望があったのに、フタを空けてみると70人しか集まらなかったといったことはよくあるものです。空席が目立つと、会場の雰囲気はどうしても締まらなくなってしまいます。これでは講師のモチベーションも上がりません。

せめて前方の席に固まって座ってくれれば、参加者と講師の距離が縮まり、多少なりとも場の雰囲気が盛り上がるはずですが、どうしてもバラバラに座られてしまいます。「席に余裕があるのなら、好きな場所に座って話を聞きたい」と思うのが人間心理だからです。

熱心に話を聞きたい人は前に座るかもしれませんが、左右の人に邪魔されずゆっくり話を聞きたいと思う人は、余裕のある後ろの席に座りたがります。「なるべく前に座ってください」と誘導をかけると、ますます前の席が混雑するので、逆効果になりかねません。

そんなとき、座席の「分け方」を工夫することで、前の方に参加者を誘導する効果的な方法があります。

最適な座席の並べ方とは!? セミナー参加者の満足度を高めるちょっとした工夫

100人集めるセミナーなら70人分の席を並べておく

その方法はとてもシンプルです。100人を集めるセミナーなら、ひとまず70人分の席を用意しておくのです。

100人の参加希望を受けていたとしても、全員が集まるとは限りません。にもかかわらず100席を用意しておくから空きができてしまうのです。そこで、最初から置いておく70席と追加する30席に分け、参加者が増えてきたら、追加の席を後ろに並べるようにします。

追加で席を並べるのが面倒に感じるかもしれませんが、こうすれば、実際の参加者が70人でも満席になるので、あらかじめ100席を用意したときのように前の方に空きが出ることはなくなり、誘導する手間も解消されます。

また、あらかじめ用意した席がいっぱいになって追加の席を補充すると、参加者に「盛況なセミナーだな」という印象を与えるので、場を盛り上げることもできるはずです。満員の会場を見れば、講師の講演にも熱がこもることでしょう。

真ん中の席をなくせば空きを解消できる

もうひとつ、セミナー会場の空席を目立たなくする「分け方」があります。それは、椅子を5~6列ずつではなく、2列ずつ並べる方法です。2列だと通路が多くなりスペース効率が悪くなると思うかもしれませんが、会場の後方は結構スペースが空いているものです。

100人程度を集めるセミナーの場合、椅子は5~6席ずつ並べ、間に通路を設けるのが一般的です。しかし、こうすると参加者は、通路に近く移動しやすい端の席に座りたがるので、真ん中の3~4席がどうしても埋まりにくくなってしまいます。

飛行機や新幹線の3人掛けシートに座ったことがある人なら、真ん中のシートの窮屈さや、移動するときに隣の席に迷惑をかけることの申し訳なさが実感できるはずです。

その点、席を2列にすれば、真ん中の席がなくなるため空きが解消されます。窮屈さも緩和されるので、参加者は講演に専念できるようになるでしょう。

また、これはセミナーを何度も運営してきた私の経験ですが、2列席にしたほうが前に座ってくださる参加者が増えるようです。

本来、セミナーでは前方の席のほうが講師の表情やプロジェクターの投影画面などが見やすく、ベストな位置だと思います。しかし、前方に人が集まると窮屈になるので、ゆったりと話を聞ける後ろのほうに人が集まりやすくなってしまうのです。

すべての席を2列にすれば、どこに座っても「快適さ」は変わらないため、自然に前の方の席も埋まりやすくなるのではないでしょうか。

“分け方”のポイント
セミナーでは席を2列に。
空きがなくなり、
前の席が埋まりやすくなる。

PROFILE

下地寛也しもじ・かんや
コクヨ株式会社ワークスタイルコンサルタント。コクヨ入社後、オフィスの設計に従事。その後、働く環境と従業員の行動に関する分析・研究などの業務を担当。現在は経営管理本部でコクヨグループの働き方や風土・文化の改革にも取り組んでいる。著書に『一発OKが出る資料 簡単につくるコツ』(三笠書房)、『困ったら、「分け方」を変えてみる。』(サンマーク出版)など。

記事公開:2018年10月