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仕事がうまくいく「話し方」のコツ

ビジネスシーンで役立つ話し方のコツをケース別にご紹介します。

vol.1 会話がはずまない3つの要因と、
話し方で意識したい「表現の3原則」とは?

会話がはずまない要因は3種類

ビジネスパーソンにとって円滑な会話は、商談や接待、プレゼンなどを成功に導くために欠かせない要素のひとつ。
「大事な商談を前に、入念な準備をしたにもかかわらず、現場でうまく話が進められず、手のひらに汗がにじむ……」「得意先との接待で、会話が盛り上がらず、沈黙に押しつぶされそうになる……」。このような経験がある人は少なくないはず。

今回は、そうした窮地に陥らないための話し方のコツについてご紹介します。
ただし、スムーズな会話はテクニックだけでは成立しません。あくまで会話の基本は“相手を無視しない”こと。相手が話しかけてきた内容に対して“応える”、言葉のキャッチボールであるという考えが前提になります。

まず、会話がはずまない要因には「人間的問題」「内容的問題」「技術的問題」の3種類があります。人間的問題とは、自己中心的になっている場合です。自分の言いたいことばかりを話して、相手の言うことを聞こうとしなければ、当然話はかみ合いません。内容的問題は、話せる材料=話材を持っていないとき。相手が話してきたテーマについて、自分に知識や興味が無ければ会話は続きません。そして技術的問題が、テクニックを持っていないケースです。話題の提供の仕方や相手の話を引き出すコツを知らなければ、会話が展開しにくくなります。

オススメの話材は「タノシキカイワニミナツドウ」

人間的問題の解決策は、他人への興味を持つことです。基本的なことですが、そもそも他人に興味が無ければ、盛り上がる話題を提供することはできません。会話がはずまない根源的な理由ともいえるので、まずは他人に興味を持てているかを振り返りましょう。

内容的問題を解決するためには、話材を豊富に持つことです。普段から様々なことに関心を持ち、情報を蓄えるように心掛けましょう。もちろん相手に関する情報を知っておくことも大切です。既に相手の趣味や嗜好などを知っていれば、話題の提供に困ることはありません。

それでは技術的問題を解決するテクニックを三つご紹介しましょう。まず、人と話すときに必ず盛り上がる話題選びのテクニック。それが「タノシキカイワニミナツドウ」です。「旅・旅行」「飲む(酒)」「出身地・校」「気候」「体(健康)」「生きる(人生)」「ワーク(仕事)」「ニュース」「店」「仲間」「妻・夫・家族」「道楽(趣味)」「運動(スポーツ)」といった話題は、誰もが話せる内容です。これらの中から、相手や状況に応じて適切な話題を選べば、きっと会話ははずむはずです。

会話の盛り上がりやすい話題

会話の盛り上がりやすい話題

話し方で意識したい「表現の3原則」

適切な話題を提供できたとしても、それだけでは会話は長続きしません。会話を続けるためには、相手に気分良く話をしてもらうための話し方も大事です。そこで覚えておきたいテクニックの二つ目が「表現の3原則」。「感じが良い」「正確な」「わかりやすい」表現を意識して話すことが、相手の話を引き出すことにつながります。中でも特に重要なのが、感じが良い表現。できる限り肯定的な表現を使って話すことで、相手は気分良く話せるようになります。

三つ目のテクニックは、表現の3原則を補強する「明るい態度」です。態度は“視覚に訴える言語”とも言われます。話すときの態度次第で、同じ表現を使ったとしても、相手の受け取り方は大きく変わります。状況によっては明る過ぎるのは問題ですが、相手に不快感を与えない程度に明るく振る舞うことが、会話を長続きさせる秘訣です。

最後に話し上手になるための、効率的なトレーニング法をご紹介します。それは、自分の周囲にいる話し上手な人と話すことです。できるだけ多くの話し上手な人と話をして、相づちの打ち方や間の取り方、表情、仕草などを真似することで、確実にあなたの話し方が磨かれていくでしょう。

表現の3原則

表現の3原則

PROFILE

永田 豊志
秋田 義一あきた・よしかず
一般社団法人話力総合研究所理事長。話し方、聴き方、ビジネスコミュニケーション、人間関係等に関する研修や講演を担当。また、話力インストラクターの教育指導にあたる。国士舘大学理工学部講師(非常勤)、産業能率大学マネジメントスクール講師。霞が関ナレッジスクエアアドバイザリーメンバー。公益社団法人 日本技術士会 防災支援委員会 委員 兼 千葉県支部幹事。千葉県東葛テクノプラザ技術相談員などを歴任。

記事公開:2017年8月