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図解で思考整理

ビジネスマンが抱える悩みを、「図」にすることで解決します。

vol.5 非顧客を3つのグループに分けるフレームワークで、
「なぜ、買ってくれないか」を分析する

これまで顧客ではなかった層から新しい市場を探す

ビジネス環境のグローバル化が進み、ダイバーシティと、イノベーションの重要度がますます上がっています。会社が生き残るには、ユニークなアイデアを形にした新製品の開発はもちろんですが、今後は、既存の製品を非顧客にアピールし、市場を拡大させていくことも大事になるでしょう。
そこで、商品を買わない非顧客が「なぜ買わないのか」「どうすれば買うのか」を分析する取っ掛かりとして、非顧客を3つに分類して考えるフレームワークをご紹介します。

※ フレームワーク・・・経営戦略や業務改善など、さまざまなビジネス局面において、課題解決や現状分析をするための思考方法。思考の枠組み。

非顧客を3つのグループに分類する

非顧客の3つのグループとは・・・・・

今回のフレームワークでは、非顧客を「消極的買い手」「利用しないと決めた買い手」「市場から距離を置く買い手」の3つに分類します。
「消極的買い手」とは、太い関係を築いているわけではなく、いつでも逃げ出す可能性がある人です。この人たちは、積極的に商品を買うわけではなく、できれば代替品ですませたいと思っています。なぜ、代替品ですませたいのかを分析していくのが鍵です。
「利用しないと決めた買い手」とは、商品と商品を扱う業界に対して、ネガティブなイメージを持っている人です。彼らは過去に強い不満や、不都合を経験し、買わないことを選択しています。「どのような経験がそうさせたのか」「それを変えるにはどうすべきか」を検討する必要があります。
「市場から距離を置く買い手」とは、最も距離が遠い存在です。同じ業界の製品、それに代替品も一切利用しません。もしもこの層に訴求することができれば、大きな市場になるはずです。

スマートウォッチを例に、非顧客を想定し、分析してみる

試しに近年話題になった「スマートウォッチ」を例にとって、非顧客を想定し、分析します。
発売と同時に、新しい物好き、あるいはアーリーアダプターは、すぐに迷わず購入しました。ですが、まだ購入していない人も一定数います。
流行を追いかけるタイプのユーザー層の動きが一服した後は、購入しなかった非顧客に対して、何らかのアクションをかけないと、さらなる利益を生むことはできません。そこで、3つそれぞれの層の非顧客が、買わない理由を分析していくわけです。
「まだまだ値段が高い」「操作が難しそう」「そもそもスマートウォッチの情報を知らない」など、分析を進めるうちに、さまざまな買わない要因が出てくるはずです。それらを解決する方法があれば、非顧客は顧客となります。「非顧客」を「潜在的な顧客」とマインドチェンジして分析にあたりましょう。

PROFILE

永田 豊志
永田 豊志ながた・とよし
知的生産研究家、ショーケース・ティービー共同創業者兼取締役副社長。九州大学卒。リクルートで新規事業開発を担当。その後、出版社や版権管理会社などを経て、ショーケース・ティービーを共同設立。図解思考、フレームワーク分析などビジネスパーソンの知的生産性研究にも取り組んでおり、国内外で執筆活動や講演でそのノウハウ普及を行う。

記事公開:2017年5月