オゾン層を抜け、地上に届く紫外線は280nm~400nmの領域であり、280nm~320nmまでをUVB、320nm~400nmまでをUVAと呼びます。
また、UVAの中でも370nm~400nmの紫外線を富士フイルムは「Deep UVA」と呼んで区別しています。
これら紫外線は、肌の日焼けやシミの元であり、また皮膚の弾性を失わせ老化を促進させると言われています。特に「Deep UVA」は人間の肌の奥まで到達して影響をおよぼすと考えられます。
従来の紫外線カット剤は、カットする領域を長波長化するほど強い着色を伴っていました。そのため、比較的低着色でカットできる領域は主に280nm~370nmまででした。しかし富士フイルムの紫外線カット剤は、これまでカットできなかった370nm~400nmの領域までも含め、紫外線のすべての領域をカットし、かつ低着色を実現することに成功しました。
従来の紫外線カット剤で紫外線の最大値400nmまでをカットしたい場合、目的以外の可視光領域も多くカットしてしまうため、着色度が高くなっていました。
しかし、富士フイルムの紫外線カット剤は、可視光域を必要以上にカットする事無く、所望のカット性能を達成できるため、400nmまでカットしつつ、従来よりも低い着色度を保つことができます。
富士フイルム製「紫外線カット剤」(開発品)
サンプル名 | 溶液吸収 | 溶解性(代表例) | 特長 | |||||
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λmax (nm) |
測定溶媒 | メタノール | 酢酸エチル | トルエン | PGMEA | 水 | ||
OUV-006 | 375 | 酢酸エチル | 可溶 | 可溶 | 可溶 | 可溶 (推定) |
不溶 |
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OUV-012 | 369 | 酢酸エチル | 可溶 (推定) |
可溶 | 可溶 (推定) |
可溶 (推定) |
不溶 |
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OUV-015 | 387 | 酢酸エチル | 難溶 | 可溶 | 可溶 | 可溶 | 不溶 |
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サンプル名 | 溶液・膜吸収 | 溶解性(代表例) | 特長 | |||||
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λmax (nm) |
測定溶媒 | メタノール | 酢酸エチル | トルエン | PGMEA | 水 | ||
OUV-004 | 278/354 | 酢酸エチル | 難溶 (推定) |
可溶 (推定) |
可溶 | 可溶 (推定) |
不溶 |
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OUV-014 | 364 | ポリカーボネート | 不溶 (推定) |
不溶 (推定) |
不溶 (推定) |
不溶 (推定) |
不溶 |
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OUV-018 | 380 | ポリカーボネート | 不溶 | 不溶 | 不溶 | 不溶 | 不溶 |
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サンプル名 | 溶液吸収 | 溶解性(代表例) | 特長 | |||||
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λmax (nm) |
測定溶媒 | メタノール | 酢酸エチル | トルエン | PGMEA | 水 | ||
OUV-016 | 387 | 水 | 難溶 | 不溶 | 不溶 | 不溶 | 可溶 | 水溶性紫外線カット剤 |
サンプル名 | 溶液吸収 | 溶解性(代表例) | 特長 | |||||
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λmax (nm) |
測定溶媒 | メタノール | 酢酸エチル | トルエン | PGMEA | 水 | ||
OUV-010 | 405 | 酢酸エチル | 可溶 (推定) |
可溶 (推定) |
可溶 (推定) |
可溶 (推定) |
不溶 | ラジカル重合系の重合性基を含有しているので、反応によって樹脂からのブリードアウトを抑制します。 |
OUV-011 | 380 | 酢酸エチル | 可溶 (推定) |
難溶 (推定) |
難溶 (推定) |
難溶 (推定) |
不溶 |
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