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アスタキサンチンとは

 

アスタキサンチンとは

「アスタキサンチン」は自然界に広く分布している天然由来の抗酸化成分で、サケやエビ、カニなどに多く含まれるカロテノイドの一種です。

[写真]

ヘマトコッカス藻あるいはオキアミを原料とした「アスタキサンチン」が、機能性食品の原材料として使われています。トマトのリコピンやニンジンのβ‐カロテンなどのカロテノイドが活性酸素を消去する「抗酸化作用」を持つ成分として知られていますが、「アスタキサンチン」は、これらのカロテノイドよりも強い抗酸化作用をもつ成分として注目されています。当社はこれまでに、「アスタキサンチン」が、CoQ10の約1000倍以上(*1)の一重項酸素の消去能を持つことを実証してきました(*2)。

このほか、「アスタキサンチン」には目の疲労感や目の使用による肩・腰の負担を軽減する機能(*3)や肌の潤いを守るのを助け、水分保持に役立つ機能(*4)、筋肉疲労の回復作用(*5)などさまざまな効果効能があることが報告されています。

*1 CoQ10(酸化体)に対して1000倍以上。CoQ10は、人の細胞中に存在する補酵素で、細胞を活性化させ人体のエネルギー生産に不可欠な成分。抗酸化作用により、活性酸素を除去する働きもあると考えられ、肌美容への効果も期待されています。
*2 J. Mori, H. Yokoyama, T. Sawada, Y. Miyashita and K. Nagata, Mol. Cryst. Liq. Cryst. 580 (1), 2013, 52-57
*3 自覚的な「目の疲れ」を訴える方が減ること(長木ら、眼科臨床紀要、2010)などが報告されています。
*4 今井ら,薬理と治療,2016,44(8):1209-1216.および塚原ら,日本補完代替医療学会誌,2016,13(2):57-62. で皮膚水分量の上昇や、皮膚水分蒸散量の低下が報告されています。
*5 澤木啓祐「アスタキサンチンのスポーツパフォーマンスにおよぼす影響」臨床医薬、18、1085、2002で運動選手の筋肉疲労回復が早まるなどが報告されています。

アスタキサンチンの分類と構造

アスタキサンチン(astaxanthin、IUPAC名: 3,3′-ジヒドロキシ-β,β-カロテン-4,4′-ジオン)は、β-カロテンと類似した構造のカロテノイドで、両端のシクロヘキセン環部位の3および3’位にヒドロキシ基(-OH)、4および4’位にカルボニル基(-C(=O))を持ち、ルテイン、ゼアキサンチン、カンタキサンチンなどと共に、キサントフィル類に分類されます。分子式はで、異性体とし(3R,3’R)体、(3R,3’S)体、(3S,3’S)体が3および3’位のヒドロキシ基の位置により、cis-型, trans-型が分子中央部にある鎖状の構造中に存在する共役二重結合により存在します。

[図] アスタキサンチンの分類と構造

生物界に広く存在するアスタキサンチンは、種々な生物の体表、筋肉、組織に蓄積し、鮮やかな赤色を発現させますが、単純な色素としてだけでない特性が論文などで報告されています。

  1. オキソ基、水酸基、ポリエンを持つ分子構造となっており、疎水性の性質がある。
  2. 強い抗酸化力を発揮し、フリーラジカルや活性酸素を捕捉、消去する。β‐カロテンの約40倍、ビタミンEの約550倍(*1)、α-トコフェロール(ビタミンEの一種)の約90倍、コエンザイムQ10の約1000倍の抗酸化力(*2)を有する。
    *1 参考文献:「美肌、目と脳を守るアスタキサンチン」ハート出版
    *2 Mori, J.; Yokoyama, H.; Sawada, T.; Miyashita, Y.; Nagata, K. Anti-oxidative properties of astaxanthin and related compounds. Mol. Cryst. Liq. Cryst. 2013, 580, 52–57
  3. 血液脳関門を通過し、脳細胞において抗酸化力を発揮する。
    これらのような特徴から、養殖魚の色揚げ程度の利用であったアスタキサンチンは、近年ではその抗酸化能が期待され、健康食品や化粧品など、人間にも応用され、話題となっています。

アスタキサンチンの分布

アスタキサンチンはエビ・カニなどの甲殻類を加熱すると赤くなる現象や、サケのいわゆる「サーモンピンク」の色素としてよく知られていますが、これらに限らずさまざまな生物に分布しています。

主に水生生物を中心として、微生物から高等動物まで広範囲に分布していますが、中でもヘマトコッカス藻が最も高濃度にアスタキサンチンを蓄積すると言われ、3~5%(乾燥藻体として)になります。また甲殻類などではタンパク質と結合したクラシタシアニンの状態でも存在し、このクラシタシアニンが加熱によるタンパク質の熱変性によってアスタキサンチンが遊離し、生では褐色のエビ・カニが赤くなる、というよく知られた現象が起きることになります。

アスタキサンチンの生合成と食物連鎖

アスタキサンチンの生合成は、アセチルCoAを起源としてメバロン酸経路により合成されたイソペンテニルピロリン酸およびジメチルアリルピロリン酸を元にフィトエンが生合成されます。フィトエンは、植物の生体内で合成される最初のカロテノイドです。さらにβ-カロテンを経てアスタキサンチンが合成されます。動物はカロテノイドを直接合成することはできませんが、摂取した餌料生物中のカロテノイドを目的に応じてほかのカロテノイドに代謝(酸化・還元など)・蓄積することはできます。水圏における極微小の植物プランクトンも、このような経路によってクロロフィル類或いはフィコビリプロテイン類(蛍光色素)やキサントフィル類(色素)を生合成し、生体内に蓄積します。カイアシ類(Copepod)およびオキアミなど動物プランクトンは、これらプランクトンを捕食し、生体内にカロテノイド類を蓄積します。これら動物プランクトンは、水棲生物の最も基本的な餌となっており、食物連鎖によってより上位に位置する魚類、甲殻類などの生物はカロテノイド類を体内に蓄積させます。陸上生物の鳥類では、フラミンゴは微細藻類を、ショウジョウトキは魚類・甲殻類などの小動物を捕食し、これらの餌料生物に含まれるアスタキサンチンを蓄積させ、鮮やかな赤色を醸し出しています。

生体内での存在意義

生体内でのカロテノイドは、体色を発現する「色素」以外にも複数の機能を持っています。その中でも、最も注目されているのが、抗酸化作用です。通常、生物の代謝によって数種類のラジカルが発生しますが、生物の細胞内物質、特に細胞膜などを構成している不飽和脂肪酸は、このラジカルにより過酸化反応を受け、さまざまな影響を生体に与えます。しかし、いくつかのカロテノイドはこの反応を抑制する機能を持っていることが明らかになっています。中でもアスタキサンチンは最も抗酸化能が高いといわれています。このことが広範囲の生物に分布する要因と推測されます。

アスタキサンチンの安全性

アスタキサンチンはサケ科魚類、エビ・カニなどを通してこれまでに一般的に摂取されている物質であり、食品サプリメントとしても、FDAおよびFSAの検査を受け、アメリカ合衆国、ヨーロッパ、日本などへの販売が許可されており、関連する商品が各国で販売されています。

日本では、ヘマトコッカス藻由来のアスタキサンチンは「ヘマトコッカス藻色素(ヘマトコッカスの全藻から得られた、アスタキサンチンを主成分とするものをいう。)」として既存添加物として収載されています。

人間による安全性試験

アスタキサンチンはサケ科魚類、エビ・カニなどを通してこれまでに一般的に摂取されている物質であることから、安全性は高いと考えられています。また臨床試験においても、以下のような幅広い用量・投与期間において、安全性が確認されています。例えば、ヘマトコッカス藻由来のアスタキサンチン8mg×2回/日を12週間(引用1)、30mg/日を4週間(引用2)、または2mg×3回/日を8週間の経口摂取(引用3)で安全性が確認されています。また、6mg/日のアスタキサンチン摂取量を中心に、20mg/日まで4週間反復摂取させたヒト臨床試験において、アスタキサンチンに起因する有害事象は確認されていません(引用4~15)。

引用1. Uchiyama A et al., Clinical efficacy of astaxanthin-containing Haematococcus pluvialis extract for volunteers at-risk of metabolic syndrome. J Clin Biochem Nutr. 2008.

引用2. 大神ら, アスタキサンチンの過剰摂取における安全性の検討. 臨床医薬. 2005.

引用3. Spiller GA et al., Safety of an astaxanthin-rich Haematococcus pluvialis algal extract: a randomized clinical trial. J Med Food. 2003.

引用4. 澤木ら, アスタキサンチンのスポーツパフォーマンスに及ぼす影響―運動選手の視機能と筋肉疲労回復に対する効果について―. 臨床医薬. 2002.

引用5. 中村ら, アスタキサンチンによる視機能の変化.  臨床眼科. 2004.

引用6. 長木ら, アスタキサンチンの網膜血管血流量におよぼす影響. 臨床医薬. 2005.

引用7. 新田ら, アスタキサンチンの調節機能および疲れ眼におよぼす影響―健常成人を対象とした摂取量設定試験―. 臨床医薬. 2005.

引用8. Nagaki Y et al., Effects of astaxanthin on accommodation, critical flicker fusion, and pattern visual evoked potential in visual display terminal workers. J Trad Med. 2002.

引用9. 宮脇ら, アスタキサンチンの血液流動性に与える影響. 臨床医薬. 2005.

引用10. 白鳥, アスタキサンチンの調節機能および疲れ目に及ぼす影響-健常成人を対象とした効果確認試験-. 臨床医薬. 2005.

引用11. 岩崎ら, アスタキサンチンの眼疲労に対する有用性. あたらしい眼科. 2006.

引用12. 長木ら, アスタキサンチン含有ソフトカプセル食品の調節機能及び疲れ眼に及ぼす影響. 臨床医薬. 2006.

引用13. 高橋ら, アスタキサンチンが調節機能の回復におよぼす影響. 臨床医薬. 2005.

引用14. 梶田ら, アスタキサンチン含有ソフトカプセルの中高齢者の眼の調節機能に及ぼす影響. 診療と新薬. 2009.

引用15. Satoh A et al., Preliminary Clinical Evaluation of Toxicity and Efficacy of A New Astaxanthin-rich Haematococcus pluvialis Extract. J. Clin. Biochem. Nutr. 2009.

お問い合わせ・サンプル請求

アスタキサンチン材料のサンプル請求および各種お問い合わせは、(株)富士フイルム ヘルスケア ラボラトリーで承っております。Webより問い合わせフォームをご利用ください。

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株式会社富士フイルムヘルスケアラボラトリー
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※富士フイルム株式会社はアスタキサンチン工業会 に加盟しております。
※富士フイルム株式会社はAlgatechnologies社 の原料を輸入・独自加工し販売しております。
は富士フイルム株式会社が製造販売するアスタキサンチンの商標です。

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