富士フイルムのデザイン
CASE
09
メタバリアS
富士フイルムが世の中に送り出すさまざまな製品たち。それらは“デザイン”という意匠を通じて、お客さまの目に触れています。お客さまと五感で触れ合う「富士フイルムのデザイン」はどのように生まれているのでしょう? デザイナーたちの想いと技に迫ります。
法改正やエビデンスの蓄積によって
変化していった文字情報に注目!
今回は、糖の吸収を抑え、腸内環境を整えるサプリメント「メタバリアS」のデザインをご紹介したいと思います。 「まずはこちらをご覧ください。これは2006年にメタバリアを初めて発売した時のパッケージです」 今の「メタバリアS」のパッケージデザインとだいぶ違いますね。 「当時は『一般食品』というカテゴリで販売を始めたこともあって、パッケージに効果効能の表示ができませんでした。そのため『最近、貫禄がつきました』『余分なものもつきました』といった、主に40〜50代男性の悩みに訴える文章がパッケージデザインの核になっていました」
「その後、2015年から機能性表示食品の制度が始まったことを受け、『メタバリアスリム』は機能性表示食品としてリニューアルし、機能性をパッケージに入れることが可能になりました。『糖の吸収を抑える』という、効果につながる言葉を使えるようになったことが、デザインにも反映されています。
さらに効果に対する科学的根拠(エビデンス)を積み重ねてきたことにより、最新の『メタバリアS』のパッケージでは『糖の吸収を抑える』『腸内環境を整える』といった表現ができるようになりました」
好き勝手な内容を表示できないサプリメントならではのお話ですね!
ぽっちゃりめなシルエットがスリムに!
女性のライフスタイルに寄り添うデザインへ
さて、こちらが「メタバリアS」のパッケージですが、文字以外にも大きな違いがありますね。人型のアイコンがぽっちゃりめからスリムになっています! 「そうなんです(笑) 当初はお腹まわりが気になり始めた男性を主なお客様と想定していましたが、実際にユーザーの皆さんの声を聞いてみると女性が非常に多かったんですね。女性が自宅リビングや会社デスクに置いておくことも考え、女性の身近にあっても気持ちが高まるデザインにしたいと考え、サプリメントによって目指す理想の姿を表現しました」
「縦に入ったこの曲線は、キュッと引き締まったウエストにも、少し脂肪がつき始めたお腹にも見える、絶妙なラインを狙いました(笑)。お客様が求める機能をわかりやすく表示しながら、毎日気持ちよく、ポジティブに続けていただくことを後押しできるようなデザインであればいいなと思っています」
シルエットのお腹部分が微妙なグラデーションになっているのは、お腹でジワッと効くイメージなのだとか。
細かいデザインにも、デザイナーの意図があるんですね!
COLUMN 紙コップも、デザインセンター仕様です
以前ご紹介したバーカウンターには、デザインセンター「CLAY」のロゴをあしらった紙コップまで! このコップでコーヒーを飲んだら、いいアイデアが浮かんできそうです。
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前向きに飲む気持ちを
後押ししてあげられるデザインが理想です。