人はそれぞれ、大切なときをいつまでも残したくて写真を撮っています。
あなたは、どんな写真を撮っていますか?
ここでは、あなたの街にもいる「普通の人」が撮っている ”日常の写真”とその”想い”について、シリーズでご紹介します。


子育てと仕事を終えた
シニア主婦の登山写真
約25年間スーパーのお菓子売り場を担当
退職後は歩く楽しさに目覚め、登山愛好家に
古屋孝子さんは、山登りが趣味のアクティブな65歳。日帰り登山から2泊3日の縦走まで、年に約40回のペースで登山を楽しんでいます。四方を山に囲まれた山梨県で生まれ育った古屋さんにとって、昔から山は身近なものでしたが、その魅力に気づいたのは長年勤めていたパートを60歳で定年退職してからだったそうです。
それまでは仕事一筋。地元スーパーのお菓子売り場を担当し、発注から陳列まですべてを任されていました。「ディスプレイの仕方ひとつで売り上げが変わるので、やりがいがありましたね。お菓子に関してだけは、子供たちにも割と甘く買い与えてしまっていたかもしれません」と懐かしそうに当時を振り返る古屋さん。今でも山に持って行くお菓子を買うときは、つい新商品もチェックしてしまうのだとか。
歩くきっかけは定年間近の58歳のとき、職場の仲間に誘われて歩く会のイベントに参加したことでした。街道歩きや里山ウォーク、手軽なハイキングなどを通して、歩く楽しさにはまっていったといいます。
ウォーキングを始めて3年ほど経ち、体力に自信がついてくると、山梨という場所柄から自然と山への興味も湧きあがってきました。まずは山梨百名山から登りはじめ、すでに100のうち95の山を制覇。最近では近郊の日本百名山にも挑戦しています。

撮った写真はテレビの大画面で鑑賞
お気に入りを厳選してアルバムに!
古屋さんのカメラには、美しい稜線や真っ青な空、可憐な高山植物の写真など、平地では見られない絶景がたくさんおさめられていました。山頂では自身の記念写真も忘れずに撮っているそうで、達成感に溢れた清々しい表情が印象的です。
「後で写真を見返すのも好きですね。どんなにしっかり目に焼き付けたつもりでも、時間と共に美しい景色の記憶も薄れてしまう。高い山は気軽に何度も行ける場所ではないですが、写真を見ればそのときの感動や景色がすぐに思い出せます」
撮った写真は厳選してプリントし、アルバムにまとめています。写真を選ぶときはデジカメとテレビをケーブルでつなぎ、テレビ画面で迫力の画像を楽しみながらお気に入りの写真をセレクト。アルバムには写真と共に、簡単な場所の説明や感想をパソコンで打ってプリントした紙を添えることも忘れません。
「山は似た景色も多いんですが、復習がてらアルバムを作っておくと記憶に残りやすいんです。退職した今、こうやってたまにパソコンを使うことがボケ防止にもなってくれるんじゃないかしら(笑)」
いつかスイスやカナダなど海外の山に登ることが夢だという古屋さん。美しい山々の写真がどんどん増えていきそうですね。


パート定年退職後、地元山梨を中心にウォーキングと山登りを楽しむ主婦。温泉好きで山歩きの後の湯浴みが至福のとき。道の駅で地元特産物を買うのも楽しみ。