人はそれぞれ、大切なときをいつまでも残したくて写真を撮っています。
あなたは、どんな写真を撮っていますか?
ここでは、あなたの街にもいる「普通の人」が撮っている ”日常の写真”とその”想い”について、シリーズでご紹介します。


旅行先で撮った風景写真が語る
シニア夫婦のゆるぎない絆
夫婦それぞれ「よく働き、よく遊ぶ」
水入らずの時間は、持ちすぎないくらいがちょうどいい
林田信夫さんが長年勤めた会社を定年退職したのは7年前。現在は、ご夫婦で年に一回、海外旅行へ行くことを楽しみとされています。
会社員時代は仕事に忙しく、単身赴任を二度経験したという信夫さん。温泉へ行くのが精いっぱいで、なかなか外国を訪れる時間がとれなかったといいます。今ようやく、夫婦水入らずの時間を満喫されているのでしょうか?
「妻も私も週に数日程度の仕事をしていて、働いたお金を貯めて海外に行きます。“よく働き、よく遊ぶ”が私たちのモットー。夫婦の時間を満喫しているというよりも、ずっと家にいると日々の些細なことでモメる原因になりますから、外へ出かけた方がいいというだけの話なんです(笑)」
冗談っぽく話す信夫さんの隣で、奥さまの富美子さんが「お父さん、何言うてんの~」と大笑い。そこで富美子さんに円満夫婦の秘訣をたずねると「気配を感じない程度に一緒にいること(!)」と教えてくれました。
長年連れそった夫婦の絶妙な距離感。それもこれも、お互いの信頼感があってこそなのでしょう。

閑寂な空間に映える京都の
紅葉散策は夫婦の恒例行事です
ご夫婦のお住まいは、日本有数の観光地・京都まで車で約30分の距離にあります。「旅行が好きな私たちにとって、京都の紅葉狩りは、秋の恒例行事。ヨーロッパのお城も趣がありますが、やはりいちばん美しいと感じるのは日本のお寺や神社です」
古き時代の建物と自然の息吹が調和すると、レンズに映る紅葉はより彩りが深くなるように見えるそうです。 「有名どころから近所の人に教えてもらった穴場まで、京都には紅葉の名所が数えきれないほどあります。しかも時期によって美しさが異なりますから、撮り下ろすたびに新たな自然の画に巡り会うことができます」
毎年毎年カメラに収められている、たくさんの美しい紅葉の写真。数百枚に及ぶそうですが、風景ばかりでほとんどご夫妻の姿が写っていないのも林田さんらしいのかもしれません。
「お父さん、こっちの紅葉も写しとこ」。レンズの“こちら”側で、奥さまがにこにこ笑っている様子が目に浮かびました。


現在は、週3日観光用船のパーサーの仕事に従事。休日は庭いじりや畑仕事、山登りなどアクティブに過ごす毎日を送る。