嘔吐や熱の原因は?夏に流行する子どもの病気・感染症の種類

子どもの病気や感染症には、流行しやすい季節があります。あらかじめ、流行時期や特徴などを知っておくと、予防対策や対応に役立ちます。知っておきたい夏の感染症・病気とその対策をまとめました。

子どもの夏風邪(プール熱、手足口病、ヘルパンギーナ)

夏に流行する夏風邪としては、以下の3つがよく知られています。

1.プール熱(咽頭結膜熱)

アデノウイルスが原因。プールで感染することがあります。症状は、発熱(38~39度)、のどの痛み、目の充血、目やになど。6月ごろから流行し始め、7~8月にピークを迎えます。

2.手足口病

コクサッキーウイルスなどのウイルスが原因で起こり、口の中や手足に水泡性の発疹ができます。発熱する人もいますが、あまり熱は上がりません。

3.ヘルパンギーナ

コクサッキーウイルスなどが引き起こし、39~40度の高熱がでます。また、のどに水疱ができて痛みを感じます。1~4歳の乳幼児がかかりやすい病気です。

食中毒

夏にかかりやすい病気のひとつが食中毒。細菌やウイルス、寄生虫など原因はさまざまですが、夏はO-157やサルモネラ菌、カンピロバクターなど細菌による食中毒が増えます。飲食店だけでなく、保育園の給食や家庭の食事で起こることもあります。

症状

腹痛、下痢、嘔吐など

対策

  • ・購入した食材は冷蔵庫で衛生的に保管する
  • ・食材はしっかり加熱する
  • ・調理前、食事前には手を洗う
  • ・調理器具を清潔に保つ
  • ・食卓は除菌効果のあるスプレーで拭いておく

熱中症

高温多湿な環境下に長くいることで、体内の水分・塩分バランスがくずれ、体温調節機能がうまく機能しなくなってしまい、体の中に熱がこもってしまう障害です。子どもや高齢者は体温の調節機能が低いので、とくに注意が必要です。

以下のような症状が見られたら、涼しい場所で水分・塩分の補給を。衣類をゆるめ、前頸部の両脇、腋の下、足の付け根の前面などを保冷材等で冷やします。症状が重い場合はすぐに救急車を。

症状

<重症度Ⅰ度>

手足のしびれ、めまい、たちくらみ、筋肉のこむら返り、気分が悪い

<重症度Ⅱ度>

頭痛、吐き気、倦怠感、意識がなんとなくおかしい

<重症度Ⅲ度>

意識がない、けいれん、返事がおかしい、まっすぐに歩けない、体が熱い

対策

  • ・屋外では帽子をかぶる
  • ・日陰を利用し、炎天下に長時間いないようにする
  • ・のどが渇いていなくても水分・塩分をこまめにとる
  • ・通気性がよく、吸湿性・速乾性にすぐれた服をきる

皮膚のトラブル(あせも・とびひ)

あせもは、汗がでる汗腺の出口にアカなどがつまって炎症を起こしたもの。あせもや湿疹をかきこわすと、傷口にブドウ球菌が感染してとびひになることがあります。とびひの水疱はかゆく、敗れるとほかの場所にも水疱ができてしまい、全身へと広がっていきます。

対策

  • ・お風呂やシャワーで肌を清潔に保つ
  • ・子どもの爪を短くしてかきこわさないようにする

保育園や幼稚園、小学校、学童保育といった集団生活では、さまざまな病原体にさらされます。とくに保育園や幼稚園で集団生活を始めたばかりの子どもは、感染症への抵抗力が弱いので要注意です。

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