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日食の撮影にチャレンジしませんか?

 

[写真]金環日食・部分日食

2012年5月21日、日本全国で天文ファンのみならず多くの方々が日本国内で25年ぶり、首都圏近郊では173年ぶりの天体ショー「金環日食」を見あげ、大きな関心を得ました。

日食とは、太陽と地球の間に月が入り込み、太陽の一部または全部が隠れる自然現象ですが、金環日食は完全に太陽が隠れず、リング状の太陽が見える特に珍しい現象でした。

このページは金環日食をお楽しみいただくための基礎知識としてご用意したものですが、世界各地で見ることができる日食全般でご利用いただけるため、その撮影ポイント、機材などを引き続きご紹介します。

※本ページで紹介する金環日食の画像は、太陽の写真に黒い円形を重ねて合成したイメージです。
太陽周辺のグラデーションなどは、実際に金環日食を撮影された際と異なる場合がございます。

撮影の注意点:必ずお守りください

太陽からはたいへん強い光(目に見える光の他、紫外線・赤外線など目に有害な光も含まれます)が出ています。また、強い熱も持っておりますので一眼レフカメラなど、レンズを通った光をファインダで直接見るカメラの場合は、太陽を見ると大変眩しく、また、熱が集中するなど、目を傷めてしまうことがあります。
大変危険ですので、一眼レフの光学ファインダーは使用しないでください。
必ず、高濃度の光量調整用フィルター(NDフィルター)や太陽光撮影用フィルターなどで光を弱めてから、液晶モニター上のライブ画像表示で確認してください。

また、液晶モニタ・液晶ファインダを介して見る一般的なデジタルカメラの場合でも、光を弱めず直接太陽に向けるとCCDやCMOSセンサーが故障する事があります。この場合も必ず光量調整用フィルターや太陽撮影用フィルターを装着してから太陽に向けてください。

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※光量調整用フィルターや太陽撮影用フィルターを装着していても、長時間向け続けると故障する可能性があります。できるだけ短時間で撮影してください。

※光量調整用フィルターや太陽撮影用フィルターは撮影用に作られています。直接日食を観測する際は「日食専用グラス」「太陽観測用サングラス」など専用の製品をご利用ください。また、カメラでの長時間の観測や一般的なサングラス・フィルムの切れ端・黒い下敷き・すすを付けたガラスなどでの観測も有害な波長の光をカットできず、危険ですからおやめください。

おすすめのカメラ仕様

  1. 太陽は思いのほか小さく写ります。焦点距離600mm以上の超望遠を搭載しているカメラがおすすめです。下図はFUJIFILM X-S1(光学624mm相当)で実際に太陽を撮影した写真に黒丸を合成したイメージ画像です。

    [写真]焦点距離624mm相当(FUJIFILM X-S1)焦点距離 1248mm相当(FUJIFILM X-S1)

  2. 発光体はオートフォーカスが苦手とするものの一つです。マニュアルフォーカス搭載機がおすすめです。
  3. 自動露出(AE)では正確な値を得るのは困難です。マニュアル露出を搭載しているカメラがおすすめです。
  4. フィルターが使用可能なカメラがおすすめです。
    ※一部機種では、ねじ込み式のフィルターが取り付けられない場合があります。
    フィルターが取り付けられない機種では、NDフィルターを手でレンズの前にかざして撮影してください。

該当する当社製デジタルカメラ

製品の購入

用意するアクセサリー類

必要な品物 (下記A, Bいずれかを使用してください)

A. 高濃度の光量調整用フィルター (TAC:トリアセテート素材、シートタイプ)

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当社では、シートタイプの光量調整用フィルター(NDフィルター)を販売しています。

最高濃度は「ND-4.0 : 露出調整倍数10,000」です。また、薄いシートタイプの利点を生かして2枚重ねて使用することもできます。
太陽撮影時の目安は露出調整倍数10,000~100,000程度のため、「ND-4.0」 1枚(露出調整倍数 10,000相当)で撮影する事が可能です。
また、明るさをおさえて太陽の輪郭をくっきりと写したい際は「ND-2.0 + ND-3.0」や「ND-1.0 + ND-4.0」(露出調整倍数 100,000相当)の2枚組でのご利用もおすすめです。


[写真]

※シートタイプのフィルターをカメラに取り付ける際は、市販のホルダー・アダプターリングなどが必要です。
(例)ケンコー マルチホルダー76、マルチホルダー76アダプターリング


B.太陽撮影用のフィルター (ND100000など非常に濃度の高いフィルター)

※ND100000の数値(100000)は露出調整倍数です。
※フィルター専門の「マルミ光機株式会社」、「株式会社ケンコー・トキナー」などから太陽撮影専用フィルターが発売されています。ご使用のフィルター径に合わせてご用意ください。
※取り付けにはステップアップリング・専用アダプターなどが必要な場合があります。各メーカーにご確認ください。

[写真]マルミ光機 ND-100000 ケンコー ND-100000(角型)

太陽撮影専用フィルターを使っての日食撮影ポイントや商品紹介は、各社ウェブサイトをご覧ください。

あると便利なアクセサリー

超望遠での撮影です。しっかりとした [三脚] をご利用ください。

※日本の三脚メーカーは数多くございますが、しっかりとした三脚をおすすめします。

[画像]三脚イメージ画像


シャッターを押す際にカメラが動かないように、リモートレリーズ

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超望遠で撮影する際は、シャッターボタンを押すなどちょっとしたショックでもカメラが動いてぶれてしまいます。

このショックを抑えるため、リモートレリーズの利用がおすすめです。
※当社デジタルカメラに対応したリモートレリーズをご用意しております。ご使用のカメラに対応したリモートレリーズをご利用ください。

※リモートレリーズがない場合は、セルフタイマーの“2秒”でも代用できます。


撮影方法

ここでは、FUJIFILM X-Tシリーズ + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRを例にして説明していますが、先にご紹介した当社レンズ交換式カメラでも概ね同じ内容で撮影が可能です。

1. カメラ設定の確認をしましょう。

露出モードは「マニュアル露出」、フォーカスモードは「マニュアルフォーカス」がおすすめです。

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    シャッタースピードダイヤル(マニュアル)
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    フォーカスモードレバー

2. 光量調整用フィルター(シートフィルター)または太陽撮影用フィルター(ガラスフィルター)を取り付けます。

フィルターは、ご利用のカメラのレンズ径をお調べの上、取り付けてください。

  • シートフィルターの場合はフィルター径にあったホルダー・アダプターリングを介して取り付けてください。
  • ガラスフィルターをご利用の場合でフィルターの径が違う際は、ステップアップリングを介して取り付けます。

<シートフィルター>

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<ガラスフィルター>

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3. カメラの準備が出来たらセッティングしましょう。

三脚に取り付けて、太陽に向けてください。大きく撮影するため、望遠は最大まで調節してください。
なお、太陽を撮影する際は、上向きに構えますので、可動式の液晶モニタのご利用が便利です。
また、シャッターを切る際のブレ防止のため、リモートレリーズを使用するとさらに良いでしょう。

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4. マニュアルフォーカスでピントを合わせます。

太陽などの発光体はオートフォーカスが苦手とするものの一つです。
マニュアルフォーカスはレンズ根元にあるリングを回して調節が可能です。この際、可動式の液晶モニタを使うと、見やすく、また大きく見えますのでお勧めです。
マニュアルフォーカスで太陽が一番はっきりと見えるポイントに調整してください。

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5. フレーミング(構図)を調整する

太陽の位置が真ん中に来るようにフレーミングすることが基本です。なお、三脚に取り付けて超望遠撮影する場合は手ブレ補正機能が「ON」になっていると、フレーミングの調整が難しい場合があります。その際は、「OFF」にしていただくと良いでしょう。

  • [写真]

6. 本番前に試し撮り/確認をしましょう

空の透明度や雲の状況・太陽の角度など様々な要因により、シャッタースピード・絞りの値などが変化いたします。 マニュアル露出で撮影前に試し撮りをしてシャッタースピードと絞り、ISO感度などを設定してください。 なお、太陽部分の明るさは月に隠れても変わりません。露出数値の変更は不要です。

また、太陽は常に動いています。特に超望遠では思いのほか速くフレーム内を動くため、予め、どのくらいのスピードで動くか確認しておくこともおすすめです。

【マニュアル露出の 絞り・シャッタースピード 調整方法】

  • [写真]
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  • コマンドダイヤル(右図:赤丸部)を回して絞りとシャッタースピードを設定します。
  • シャッターボタンそばの「+/-」ボタン(右図:青丸部)を押すたびにシャッタースピード・絞りを設定する項目が切り替わります。

【参考資料】

[写真]

右図は晴天時の太陽撮影画像です。
下記撮影データを参考にしていただき、状況に応じて露出数値を調整してください。

撮影データ :
シャッタースピード 1/250秒、絞り値 F8.0、ISO感度 100、露出調整倍数100,000フィルター使用
※露出調整倍数 10,000フィルターの際は、シャッタースピード1/2000秒程度をご利用ください。


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撮影後の写真加工

撮影の際に一番大きな記録画素数(X-S1:1200万画素)で撮影すると、後で拡大印刷のため「トリミング」できる幅が広がります。L版から2Lサイズ程度でしたら、トリミング後の画素数を300万画素にしてもきれいです。

[写真]光学624mm × デジタル2倍 (FUJIFILM X-S1:記録画素数4000×3000:1200万画素)縦・横を半分にトリミング後 (サイズ1/4相当:画素数 2000×1500:300万画素)

最後までご覧いただきありがとうございました。美しい日食の撮影に、チャレンジしてみてください!

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