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フラッシュを使いこなしてみませんか?

 

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フラッシュ撮影は写真の基礎的なテクニックですが、意外と忘れている場合もあるかもしれませんね。このガイドでは、フラッシュの基本的な使い方や発光モードの使い分け、注意点などをご案内します。

フラッシュを使うシーンとは?

まずは、フラッシュを発光したほうが良い撮影シーンについてご案内します。

1. 暗い場所で使う。

フラッシュを夜間屋外や室内など暗い場所で発光することにより、被写体を明るく写すことが可能です。一番スタンダードな使用方法です。ただし、フラッシュ光が到達可能な範囲のみ有効です。背景まで明るく写す場合には、後述のスローシンクロをご利用ください。

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    フラッシュなし
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    フラッシュ発光

2. 逆光時に使う。

背景が被写体よりも明るい場合(逆光)、フラッシュなしで撮影すると被写体が暗く写ってしまいます。かといって、明暗差が大きい場合、露出を被写体に合わせると背景が白く飛んでしまうことがあります。こんな場合は、フラッシュを発光させて被写体に光を当て、明るく撮影すると良いでしょう。

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    フラッシュなし
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    強制発光

動いているものを止める、手ブレを抑制する。

フラッシュの閃光時間は数千分の1秒~数万分の1秒のため、かなり速い被写体も止めて写すことが可能です。
また、シャッタースピードを高速化して撮影することも可能ですので、手ブレの抑制も可能です。

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    フラッシュなし
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    フラッシュ発光

フラッシュの種類とは?

フラッシュにはカメラに内蔵されたものと外部フラッシュ(外付けのフラッシュ)があります。一般的に内蔵フラッシュよりも外付けのフラッシュの方が大光量のため、遠くまでフラッシュ光が届きます。また、後ほどご案内しますが、外付けフラッシュには、フラッシュの発光方向を変えることが可能な「バウンス機能」や、他のフラッシュと同調して発光する「スレーブ発光機能」などが搭載されていることもあります。
また、外部フラッシュは内蔵にくらべて、発光部がレンズから離れた位置になるため、赤目現象が発生しにくくなります。

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    内蔵フラッシュ(X-E2)
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    外部フラッシュ(左から:EF-X500、EF-42、EF-X20)

FUJIFILM製 外部フラッシュ(別売フラッシュ)

自動調光方式の種類とは?

フラッシュの自動調光方式には、大きく分けて「TTL自動調光(TTL調光)」と「外部自動調光(外部調光)」があります。最近では調光精度の高いTTL自動調光が一般的となっています。

TTL自動調光(TTL = Through The Lens)

撮影用レンズを通った光をカメラ内の調光センサーで計測する方式です。レンズを通った光を計測するため、外部自動調光より高精度な調光が可能です。また、当社フラッシュ発光方式【iフラッシュ(*1)】【スーパーiフラッシュ(*2)】もTTL自動調光の一種です。
なお、カメラとフラッシュの組み合わせがTTL自動調光に対応している必要があります。

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*1 【 i フラッシュ 】は、被写体までの距離や、画面上での位置・大きさ・明るさを瞬時に判断し、シーンに最適な発光量・感度に調整する、当社独自の高性能フラッシュ制御技術です。

*2 【 スーパー i フラッシュ 】は、i フラッシュをさらに進化させたフラッシュ制御技術です。 i フラッシュと比較して、特に暗いシーンでのマクロ撮影でも、背景の黒つぶれや被写体の白とびを防ぎ、適切な量の光を発光して背景と人物を目で見たままに美しく撮影することが可能です。

外部自動調光

被写体に当たって反射してきたフラッシュ光を、フラッシュ自体に搭載された調光センサーで計測する方式です。
従来からある自動調光方式で、TTL自動調光に比べると精度は低くなる傾向にあります。

フラッシュの届く範囲

フラッシュの発光量(フラッシュの届く範囲)を表す数値に、「ガイドナンバー(以下、GN)」があります。この数値が大きいほど、フラッシュの発光量が多いことを表します。※大きいほど遠くまで明るく撮影することが可能。
なお、使用説明書に記載された調光可能範囲内で自動調光を利用すれば、通常、被写体を明るく撮影可能です。

マニュアル発光(手動発光)をする場合は、このGNを使って計算することにより、撮影可能距離を算出します。

GNの算出方法

GNは通常ISO感度100の数値(ISO100・m)の最大発光量(パワーレシオ 1/1)で表記されます。
異なるISO感度やパワーレシオ調整(発光量調整)をして撮影する場合は、下表のISO感度係数・パワーレシオ係数を使用して、実効GN(計算に使用する際のGN)を計算してください。

※ズーム機能(照射角調整機能)や、ワイドパネルが付いているフラッシュの場合、使用する焦点距離によりGNが変化します。詳しくは、フラッシュの使用説明書に記載がありますので、ご参照ください。

計算式 : GN(ISO100・m) × ISO感度係数 × パワーレシオ係数 = 実効GN

(例)GN「42」(ISO100・m)のクリップオンフラッシュEF-42(ズーム位置70mm使用時)をISO感度400、パワーレシオ1/2で使用した場合の実効GNを計算してみましょう。

GN42(ISO100・m) × 2(ISO感度係数) × 0.7(パワーレシオ係数) = 58.8

ISO感度係数

基準のISO感度(ISO100)以外を使う場合、この係数を使用してGNを変換します。

ISO感度 ISO 100 ISO 200 ISO 400 ISO 800 ISO 1600 ISO 3200 ISO 6400
ISO感度係数 1 1.4 2 2.8 4 5.7 8

パワーレシオ係数

パワーレシオ調整をする場合、この係数を使用してGNを変換します。

パワーレシオ 1/1 1/2 1/4 1/8 1/16 1/32 1/64
パワーレシオ係数 1 0.7 0.5 0.35 0.25 0.18 0.13

撮影可能距離(m)の計算方法

撮影可能距離(フラッシュ光の届く距離)は、実効GNを絞りの値で割ると算出できます。

計算式 : 実効GN ÷ 絞り = 撮影可能距離(m)

(例)実効GN「58.8」のフラッシュ発光、絞りF4.0を使用した場合の撮影可能距離を計算してみましょう。

58.8(実効GN) ÷ 4.0(絞り) = 14.7m

内蔵フラッシュ/外部フラッシュ選択の目安

内蔵フラッシュや付属フラッシュは発光量が小さい(GN.8程度)ため、カメラから3m~5mくらいまでの被写体を 撮ることには適していますが、それ以上遠くの被写体を撮影する際は、クリップオンフラッシュEF-X500やEF-42、EF-20、EF-X20等、光量の大きいフラッシュのご利用がおすすめです。

発光モード別のおすすめシーン

フラッシュの発光モードにはいくつかの種類があります。それぞれおすすめのシーンをご案内します。

AUTO(右:AUTO + 赤目軽減)

明るさを自動的に判断し、暗い場合に発光するフラッシュです。通常の撮影にはこのモードをご利用ください。

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強制発光(右:強制発光 + 赤目軽減)

明るい場合でも、強制的にフラッシュを発光させるモードです。逆光時など、背景と被写体に大きな輝度差がある場合に有効です。

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    フラッシュ発光なし
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    フラッシュ強制発光

スローシンクロ(右:スローシンクロ + 赤目軽減)

背景まで写るようにシャッタースピードを遅くして、フラッシュを発光させるモードです。夜景など、通常のフラッシュ発光では背景が写らない場合に有効です。ただし、シャッタースピードが遅くなるため、手振れが発生しないようにしっかりとカメラを構えていただくか、三脚等でカメラを固定してご利用ください。

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    通常発光
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    スローシンクロ発光

赤目軽減発光とは?

フラッシュを発光した際に、瞳が赤く写ってしまうことを「赤目現象」と呼びます。赤目は目の瞳孔が開いている時(暗い場所など)に、フラッシュを発光すると発生しやすい現象です。
赤目軽減発光は、撮影に使うフラッシュ発光の前に一度発光し、瞳孔を閉じてから撮影する動作を行います。このため、フラッシュが少し間隔を開けて2回発光しますので、2回目が発光する前にカメラを動かすとブレが発生したり、被写体が意図しない場所に写ったりしますのでご注意ください。

調光補正を使ってみよう

調光補正とは、自動調光で発光する量を調整する機能です。被写体や背景の明るさ、色(反射率)により、暗くまたは明るく写ってしまうことがあります。このような場合は、調光補正機能でフラッシュの光量を調整してください。
一般的に、被写体・背景が明るい際や明るい色(反射率が高い)場合は+側に、逆に暗い場合や暗い色(反射率が低い)場合は-側に調光補正をしていただくと良いでしょう。

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    調光補正 0
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    調光補正 -1
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    調光補正 +1

フラッシュ光の影に注意しましょう

フラッシュを発光したら、被写体の後ろに大きな影が出たしまったことはありませんか?これは、撮影レンズとフラッシュ発光部の位置が異なるため発生します。影を発生させないために、被写体と背景(壁など)の距離を離して撮影することをおすすめします。

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    壁に近い場合
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    壁から離れた場合

バウンス発光・スレーブ発光とは?

バウンス発光

バウンスとは、フラッシュの発光方向を変化させる機能です。被写体に直接フラッシュ光を当てるのではなく、壁や天井などに一旦フラッシュを反射させ、背後に出る濃い陰を薄くしたり、光の当たる角度を変化させ、より自然な陰影をつけたりする効果があります。当社のフラッシュでは「クリップオンフラッシュEF-X500、EF-42、EF-20」に搭載しています。

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    バウンス撮影(イメージ)
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    直接フラッシュを被写体に向けた場合
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    バウンス発光

スレーブ発光

スレーブとは、他のフラッシュ光に同調して発光させる機能です。ワイヤレスでフラッシュを発光させることが可能なため、フラッシュ光が当たる角度を変更したり、複数のフラッシュを使ってライティングをしたりする場合に便利な機能です。
当社のフラッシュでは「クリップオンフラッシュEF-X500、EF-X20」に搭載しています。

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    スレーブ発光(イメージ)
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    直接フラッシュを被写体に向けた場合
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    スレーブ発光

クリップオンフラッシュEF-X20のスレーブ機能

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【モードスイッチ】

  • X : スレーブ発光なし
  • N-MODE : プリ発光(予備発光)なしのフラッシュに同調させる場合
  • P-MODE : プリ発光(予備発光)ありのフラッシュに同調させる場合

クリップオンフラッシュEF-X500のスレーブ機能

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1. 電源レバーロックボタンを押しながら、電源レバーをREMOTEの位置まで回します。


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2. ページボタンを押して、ファンクションページ表示をFLASHにします。


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3. Grが表示されているファンクションボタンを押します。グループ設定の表示が反転します。


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4. コマンドダイヤルを回してモードを選び、OKボタンを押して決定します。


設定 内容
P-MODE プリ発光キャンセルスレーブ発光:フラッシュがプリ発光対応の場合に適した設定です。フラッシュのプリ発光には同調せず、本発光にのみ同調して発光します。
N-MODE ノーマルスレーブ発光:フラッシュがプリ発光非対応の場合に適した設定です。フラッシュがプリ発光する場合にも同調して発光します。

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フラッシュの便利アクセサリー

フラッシュディフューザー

メーカーによって呼び方はいくつかありますが、フラッシュ発光部の前に取り付け、フラッシュ光を拡散させるアクセサリーです。フラッシュ光を拡散(柔らかく)すると、強い影が消えてより自然な雰囲気の写真に仕上がります。

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    フラッシュディフューザー(イメージ)
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    直接フラッシュを被写体に向けた場合
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    ディフューザー使用

フラッシュ使用上の注意

フラッシュ発光部の位置に注意しましょう

縦位置撮影する場合は、フラッシュ発光部がレンズより上に位置するように構えると良いでしょう。レンズより下にあると不自然な陰が発生する場合や人物撮影の場合は、怖い顔になってしまうことがありますので、特に縦位置撮影する場合は、フラッシュ発光部の位置にご注意ください。

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    下からフラッシュを当てたイメージ

使ってはいけない撮影シーン

フラッシュを使用する場合は、向けられた人に迷惑がかからないようにしましょう。特に暗いところでフラッシュを発光させると非常にまぶしいものです。他の人の迷惑になる場合や、特に、走行中の車やバイク、電車等の運転席に向けて発光すると運転手の目がくらみ大きな事故になる可能性がありますので、絶対にお止めください。

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  • [写真]

※危険なため、イメージ写真にはノンフラッシュ・昼間の画像を使用しています。

おまけ : 雨や雪が降っているときにフラッシュを使うと・・・。

降っている雨や雪にフラッシュ光が反射して、丸い不思議な光が発生します。使い方によっては、幻想的な写真が出来上がりますので、いろいろ試してみるのも面白いかもしれません。

ちなみに、ホコリの多い室内でフラッシュを発光させた場合でも、同じような丸い光が発生する事があります。
時々心霊写真と間違える方もいらっしゃいますが、同じ原因ですのでご安心くださいね。

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    「雪にフラッシュ光が反射した写真」

最後まで、ご覧いただきありがとうございました。ぜひフラッシュを活用して撮影をお楽しみください。

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