紅葉の写真にチャレンジしてみませんか?
秋が深まるにつれ、北から紅葉前線が南下してきます。春の桜も良いですが、秋の紅葉も趣があってよいものですね。
古来より、和歌の題材にも多く使われ、紅葉の名所は全国各地に存在します。
紅葉する木として代表的なカエデやイチョウのほかにも、山椒の木やユーカリの木も色付くそうです。紅葉狩りにお出かけになった際には、ぜひ写真も撮影してみてください。この撮影ガイドでは、紅葉の撮影テクニックやあると便利なアクセサリーをご案内いたします。なお、紅葉は色付き方により「黄葉」と表記する場合もありますが、本ガイドでは「紅葉」に統一して表記いたします。
使用する焦点距離や絞りでイメージが変化します
使用するレンズ焦点距離や絞りにより、イメージが変化します。望遠レンズで大胆に切り取って見せたり、背景をわざとぼかして紅葉を浮き上がらせたり、逆に広角レンズで周りの風景や青い空などと一緒に撮影するのも良いかもしれません。ちょっとした工夫で印象が異なってきますので、試してみてはいかがでしょうか?
望遠レンズで大胆に切り取る
望遠レンズ(ズーム)を使用して、紅葉した枝を切り取ってみました。広い画角よりも際立って見えませんか?また、絞りを開くと背景がさらにぼけて、浮き上がったように見えます。
【ズームアップ】 使用カメラ : FUJIFILM X-S1 光学24倍ズーム搭載 (35mmフィルム換算:24-624mm)
広角レンズで周りの風景と共に写す
今度は、広角レンズを使用して周りの風景や秋の青空をフレームに納めてみました。広角にするほど、大きく空を入れて、風景のコントラストをつけることができます。
いつもと違うカメラアングルを使ってみましょう
いつも目の位置でカメラを構えていませんか?しゃがんだり、上を見上げたりすると、普段の紅葉とはひと味違った写真を撮ることが可能です。また、伸びている枝を効果的に配置すると、視線の誘導効果が期待できます。
露出をコントロールして印象を変化させましょう
露出補正で色の濃さを調整しましょう
撮影してみたら、紅葉した葉の色がくすんでしまったと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。特に晴天時に明るい空を入れて撮影すると、葉の部分が露出アンダー(露出不足)になり、本来の色と違って見えてしまうことがあります。
このような場合は、少しプラス側に露出補正していただくと華やかな印象にすることが可能です。
明暗差を大胆に演出
木漏れ日の部分にある紅葉を撮影してみました。明暗差のある撮影シーンの場合大胆に露出を調整してみると、かなり違った印象になると思います。わざと明るくすることで、光の差し込む朝の雰囲気を出すことや暗くすることでシルエットを作り額縁効果を出すことも可能です。また、昼間だけではなく、ライトアップされた紅葉を撮影してみるのもおすすめです。
【AEブラケティング機能】
一部のカメラ(*1)には、露出を自動的に変えて3枚の写真を撮影してくれる機能「AEブラケティング」が搭載されています。この機能を使って、露出違いの写真を撮ってみると、新たな発見があるかもしれません。
*1 AEブラケティング機能は、FUJIFILM Xシリーズ、FinePix HSシリーズ、FinePix Fシリーズなどのカメラに搭載しています。
発色/コントラストをコントロールしてみましょう
ホワイトバランスの調整を試す
ホワイトバランスを調整すると発色が変化します。一般的に紅葉を鮮やかに再現するには、若干色温度を高めにすると良いと言われています。ホワイトバランス「日陰(曇り)」や「色温度設定」などを使用して、変更をお試しいただくのも良いのではないでしょうか?
フィルムシミュレーションで発色/コントラストを変える
フィルムシミュレーションとは、撮影意図に合わせてフィルムを取り替えるように、発色やコントラストを変化させることができる機能です。「標準的な階調/発色のPROVIA」「メリハリのある階調と鮮やかな発色のVelvia」「肌色の自然な階調と風景のあざやかな色調を両立させるASTIA」、また、モノクロやセピアなどもあります。※カメラにより搭載していない場合があります。
おすすめのカメラ仕様
紅葉を撮影する際に特別な機能は必要ありません。あえて言えば、絞りをコントロールして被写界深度(ピントの合う範囲)を調整するため、絞り優先オートを搭載したデジタルカメラがおすすめです。また、コントラストや発色を高めるC-PLフィルターを取り付ける事が可能なカメラもおすすめです。
※FUJIFILM XF1・コンパクトデジタルカメラにフィルターを取り付けることはできません。
※( )内の数値は35mmフィルム換算した焦点距離です。
該当する当社製デジタルカメラ
【APS-Cサイズ CMOS搭載デジタルカメラ】
【交換レンズ(単焦点) レンズ交換式デジタルカメラ用】
【交換レンズ(ズーム) レンズ交換式デジタルカメラ用 】
【テレコンバーター/マクロエクステンションチューブ】
製品の購入
- デジタルカメラ「FUJIFILM Xシリーズ」 (フジフイルムモール)
- フジノンレンズ「XF/XCシリーズ」 (フジフイルムモール)
おすすめのアクセサリー
●C-PLフィルター(円偏光フィルター/サーキュラーPLフィルター)
C-PLフィルターは紅葉に限らず、風景写真を撮る際に必携のアクセサリーです。一般的に、水面やガラス・金属の反射を除去する用途で使用される事が多いですが、紅葉や風景に使用すると空の青や木々をくっきりと鮮やかにする事が可能です。
この撮影ガイドで紹介したデジタルカメラの内、FUJIFILM XQ2・コンパクトデジタルカメラを除いてフィルター取り付けが可能です。下記フィルター径に併せてご用意ください。
※取り付けできないカメラはレンズ前にフィルターをかざしてご利用ください。
<フィルター径>
- 39mm径 : XF27mmF2.8 R/XF60mmF2.4 R Macro
- 43mm経 : XF23mmF2 R WR /XF35mmF2 R WR
- 49mm径 : FUJIFILM X100T ※アダプターリングAR-X100併用/FUJIFILM X70 ※レンズフード LH-X70 併用
- 52mm径 : XF18mmF2 R/XF35mmF1.4R
- 58mm径 : XF14mmF2.8 R/XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS/
XC16-50mmF3.5-5.6 OIS/XC16-50mmF3.5-5.6 OIS II/
XC50-230mmF4.5-6.7 OIS/XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II - 62mm径 : XF23mmF1.4 R/XF56mmF1.2 R/XF56mmF1.2 R APD/
XF90mmF2 R LM WR/XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS - 67mm径 : XF16mmF1.4 R WR/XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR
- 72mm径 : XF10-24mmF4 R OIS/XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
- 77mm径 : XF16-55mmF2.8 R LM WR/XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
写真を撮った後はプリントしましょう!
【光の反射率が高いクリスタルペーパーで鏡に映したような仕上がり】
印画紙に光の反射率が高いクリスタルペーパーを使用。凹凸を抑え、平滑性を高めた紙表面が、光を一定方向に反射。
まるで鏡に映したような光沢感が楽しめます。
【手軽に高品質プリントが楽しめる】
デジカメプリント クリスタルは、仕上がり色調を自動で補正。
お店に行って色調整する時間がない方や初心者の方でも、手軽に高品質のプリントが楽しめます。
おまけ① : 紅葉の名所と世界遺産
今回の撮影ガイドで使用した画像には、1999年に世界文化遺産に登録された「日光の社寺」の日光東照宮で撮影したものがいくつか含まれています。
このほかにも、世界遺産と紅葉の名所が一致している場所は意外と多いですね。
例えば、世界文化遺産として最近登録された富士山の周辺にも多くの紅葉名所がありますし、京都・奈良の神社仏閣、岩手県の平泉、広島県の厳島神社など、名所としても名高い場所が世界遺産に登録されていますので、お出かけになられてはいかがでしょうか?
おまけ② : RAWファイルで撮影してみませんか?
Xシリーズや一部のデジタルカメラに、搭載しているRAWファイル撮影機能をご存知でしょうか?RAWファイルは、現像前のフィルムのようなもので、撮影後にホワイトバランス・フィルムシミュレーションなどの色味や明るさなどお好みに応じて細かな調整が可能です。
RAWファイルは、カメラで変換する他にも、カメラに付属しているソフトウエア「RAWFILE CONVERTER EX Powerd by SILKYPIX」をご利用いただくと、パソコン画面を見ながら変換できます。
おまけ③ : 逆光で撮影してみましょう
記念写真などでは嫌われがちな「逆光」での撮影ですが、風景写真では、陰影を強調した画面作りや、葉を透かして光を写すなど、表現を豊かにする要素として利用することができます。また、稲やススキのような穂のある植物の場合、逆光で撮ることによって、穂の一つ一つが際立って見えます。背景が暗いとより質感を表現することができます。
最後までご覧いただきありがとうございました。ぜひ、紅葉の写真にチャレンジしてください。