懐かしくて、心があたたかくなる写真を毎号お届けしていきます。

X-T1 + XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS
風になびく
~兵庫県養父市~
別宮(べっくう)の棚田に、夕方に到着。
既に陽がだいぶ傾いていて、棚田には
徐々に太陽光が届かなくなっていくので撮影を急ぎます。
光が当たっている場所を追いかけるように
三脚を担いで走りながら
カメラを構える場所を移動させて撮影していきます。
穂の開いた美しいススキを見つけました。
もう数分で穂に光は当たらなくなります。
風よ吹け。
心に願います。
光が無くなるのが先か、風が吹くのが先か、焦ります。
すっと風が抜けました。
穂が同じ方向になびきました。
ほっとした瞬間です。
1963年福井県生まれ。山岳写真家・風見武秀氏に師事した後、フリーとなり、日本各地の農村風景、自然風景、などを対象に撮影を続け、新潟県魚沼、埼玉県見沼田んぼ、を集中的に取材している。近年は人の営みが感じられる『ほっと風景』をテーマにした作品作りをしている。